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2018
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愛媛出版文化賞 受賞者に聞く

<2>部門賞/第2部門 美術 「TOBE ZOO PHOTO BOOK 檻のない世界」(愛媛新聞サービスセンター) 田窪一美著

2018年1月7日(日)(愛媛新聞)

「納得できる写真が撮れた日は、ビールが最高においしい」と初の写真集を手に語る田窪一美さん

「納得できる写真が撮れた日は、ビールが最高においしい」と初の写真集を手に語る田窪一美さん

【飼育動物の表情 活写 おりの隙間からレンズ】

 大きく口を開けてあくびするオランウータン。母親の足にそっと寄り添うアフリカゾウ―。動物が見せる一瞬の表情を写真に記録しようと、とべ動物園に10年間通い詰めた。

 25歳のとき、幼い長男と長女の成長記録を残そうとローンでペンタックスSPを購入した。その数カ月後、腕試しに送った愛媛新聞の「読者の写真」入賞をきっかけに「誰も撮らないような作品で勝負したい」と、どんどん写真にのめり込んだ。

 長年、題材としてきたのは、ふとした日常を撮るスナップ写真。街中の表情を追いつつ、往来で独特の存在感を放つ易者、旅芸人の楽屋といった「裏側」をのぞくような写真に魅力を感じ、シャッターを押し続けてきた。

 10年前に仕事を定年退職。「新たな挑戦」としてフィルムからデジタルにカメラをかえた。「歩くから健康にもいい」。そんな理由で新たな撮影舞台にとべ動物園を選んだ。だが、すぐに壁にぶつかった。どうしてもおりが写り、面白みに欠ける写真となってしまうのだ。

 「動物園で撮りつつ、動物園で撮ったと気付かせない」ため、おりの隙間から300ミリの望遠レンズを構えてみた。露出を調整して背景を黒一色などにすることで、動物だけが浮かび上がった。激しく動き回り、ほとんどカメラを見てくれない動物もいたが「難しいからこそ面白い」と数年がかりで表情を収め、計約50万枚に上る中から厳選して写真集にした。

 現在は松山市三津浜地区に通い、港町独特の空気感が漂う街並みを撮りだめている。動物も街並みも良い写真を生むには根気との勝負だ。「自分が納得できる一枚のために」。その瞬間的な出会いを楽しみつつ、カメラを手に日々歩き続ける。

 

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