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愛媛出版文化賞 受賞者に聞く

<7>奨励賞/第4部門 その他文化全般 「大食らい子規と明治」(アトラス出版)土井中照編著

2018年1月12日(金)(愛媛新聞)

「食」と「旅」のエピソードを通じて俳人正岡子規の魅力を分かりやすく紹介した土井中照さん

「食」と「旅」のエピソードを通じて俳人正岡子規の魅力を分かりやすく紹介した土井中照さん

【食欲と旅にスポット 俳聖の力 源泉をたどる】

 松山出身の俳人正岡子規。病気に苦しみながらも34歳という短い人生で俳句や短歌の革新に取り組み、明治の近代文学に大きな足跡を残した。その力の源泉は何だったのか。本書は「食欲」と「旅」にスポットを当て、子規の魅力をたっぷりと味わえる「おいしい」一冊だ。

 今治市のフリーライター土井中照さん(63)は、地域の歴史や民俗から郷土料理まで幅広い分野の本を出版してきた。子規の著作は「そこが知りたい子規の生涯」「のぼさんとマツヤマ」に続き3冊目。一昨年春に病気を患い手術し、生誕150年に当たる昨年の出版を目指して執筆に着手した。自身の病気を「食欲や命について改めて考えさせられ、子規を感じるためにはいい体験だった」とひょうひょうと語る。

 本書では、初の上京で食べた菓子パンや、桜餅とロマンス、愚陀仏庵で漱石の払いで食べ続けたウナギ、旅先で出合った料理など、さまざまなエピソードを盛り込みながら紹介。「正岡家の家計簿」ではエンゲル係数を約62%と算出するなど、数多くの文献資料から集めたデータやこぼれ話、イラストを満載し、分かりやすく解説する土井中さんならではの手法が今回も存分に発揮されている。

 「命燃え尽きるまで頑張り俳聖と称される子規に学ぶところは多いが、ごく普通の生活者でもあった」と土井中さん。だから高邁(こうまい)な人生や作品だけでなく、身近なエピソードを織り交ぜながら、紙芝居のように表現。読者の好奇心を刺激することを大事にしているのだという。

 「食べることは人間の基本であり、身近な幸せ。それは自分の本を書く姿勢とも似ている。知識・情報を咀嚼(そしゃく)してもらい、豊かで幸せな心になってもらえたら」と話し、今後への意気込みをみせる。

=おわり

 

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