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実名公表・太宰さん(東京)語る

遺伝性乳がん卵巣がん症候群「当事者の思い知って」

2018年3月6日(火)(愛媛新聞)

遺伝性のがんへの正しい知識と理解を呼び掛ける太宰牧子さん=2月17日、西予市宇和町下松葉

遺伝性のがんへの正しい知識と理解を呼び掛ける太宰牧子さん=2月17日、西予市宇和町下松葉

 特定の遺伝子に変異があるためがんになりやすい「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)」の患者として国内で初めて実名を公表した、当事者会「NPO法人クラヴィスアルクス」理事長の太宰牧子さん(49)=東京=の講演会がこのほど、西予市宇和町下松葉の宇和中学校であった。当事者としての経験や思いを語り「遺伝性がんへの正しい知識と理解につなげるため、情報発信していきたい」と呼び掛けた。

 太宰さんは2011年に42歳で左胸に乳がんを発症。08年に40歳だった姉を卵巣がんで亡くしており、定期的にがん検診や婦人科検診を受けていた。姉妹で若くしてがんになったことを不安に感じ、インターネットで調べてたどり着いた遺伝子検査を受け、「BRCA1」の遺伝子に変異が発見された。「自分や姉ががんになった原因が分かって納得し、すっきりした」。その後、遺伝子検査を受けた妹に変異はなかった。

 HBOCと分かり、乳がんの治療方針は変わった。乳房の温存手術をできる初期の状態だったが、HBOCは同じところに繰り返しがんを発症するリスクが高いため、左乳房の全摘手術を決意。その後、再建手術を受けた。「その時に自分で決めた最良の選択だった」と振り返る。

 現在も3カ月に1回は検査を受けるが、卵巣がん発症の不安は拭えない。早期発見が難しい上、進行が早いためだ。医師からはリスクを考えて予防切除の選択肢を示されているが、精神・身体的負担に加え、保険適用がなく金銭面の負担も大きい。

 ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが、がん予防のため13年に両方の乳房、15年に卵巣・卵管の切除を公表し、予防切除への理解は深まると期待したが、日本ではまだまだ社会的に認知されていない。太宰さんは「健康な乳房や卵巣の予防切除に誤解や偏見もあるが、みんな悩みながらもがんで命を落としたくないから決断している。遺伝とがんの仕組みを知ることで、イメージは変わると思う。今後も当事者の思いや正しい知識を広めたい」としている。

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