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愛媛の高校スポーツ 指導者ファイル

<2>山川厚(57) 松山東雲アーチェリー部監督 柔軟に 即行動の強化 五輪選手の育成「野望」

2020年5月4日(月)(愛媛新聞)

 

 全国高校総合体育大会(インターハイ)や国体でコンスタントに入賞者を出している松山東雲高アーチェリー部。監督の山川厚は競技歴ゼロからスタートしたが、強豪国の韓国や米国で合宿を行うなど柔軟な発想で強化を図り、五輪選手の育成も見据えている。

 2017年の愛媛国体に向けて07年に発足した松山東雲高アーチェリー部。その翌年、監督に就任した山川は、「全国大会優勝」という目標に向けて大胆な一手を打った。

 当初20人ほどの部員がいたが、学業優先の生徒や兼部する生徒もおり、競技に対する意識の差を感じた。そこで「勝つための練習をする」との方針を告げ、部を一度解散したのだ。翌日、練習場に集まったのは3人。少数精鋭で再始動した。

 山川は中学ではフィギュアスケート、高校と大学では体操競技に取り組んだ。アーチェリーは全くの未経験。指導者としての基礎を学んだのは、シドニー五輪日本代表コーチを務めた五百蔵正雄との出会いだった。兵庫県の強化合宿に自費参加し「一から十まで教わった」と振り返る。

 そこから着実に実績を積み上げた。09年にインターハイ初出場を果たすと、15年には奥村佳子が個人でインターハイと国体の2冠を達成。その後もインターハイ団体ではコンスタントに入賞を果たし、U-17(17歳以下)のナショナルチームにも複数の選手を送り出している。

 選手育成で大事にするのは「選手の高いモチベーションをいかに維持するか。器用でなくともモチベーションがあれば工夫する」と明かす。

 山川は即決断、即行動を地で行く。「神経系のスポーツでは、小学生から中学1年にかけてがよく伸びる」と、14年に小学生対象の「松山東雲アーチェリークラブ」を創設。早い段階で競技に触れる場を設けた結果、クラブから多くの選手が松山東雲中に進学し、競技を続けている。

 15、17年には、五輪で数多くのメダルを獲得する韓国での合宿を敢行。当地で知った「小学生のカテゴリーでは短い距離を打たせ、あえて前に進ませない」という指導法を取り入れ、練習場に近距離の的を多く設置した。

 奥村のインターハイ優勝以降、山川には次の目標として「五輪」の2文字が浮かぶようになったという。しかし「韓国と同じことをしていても勝てない」と、再び即行動。米国式の科学的、合理的な技術や練習法を学ぼうとクラウドファンディングで資金を集め、今年1月に米国合宿を実現した。

 常に新たな気づきを受け入れ、取り入れ、成長につなげてきた山川。24年のパリ五輪に向けて「これは野望ですが」と前置きしつつ「日本代表3枠すべてが、うちの出身者になればいいですね」と笑った。(敬称略)

 

 【やまかわ・あつし】 広島県出身。広島大教育専攻科卒。86年から松山東雲高に勤務。19年茨城国体少年女子団体初優勝などの実績を残す。

   ◇   ◇

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