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Discover Ehime~歩いて巡る故郷の絶景

第14回 冨士山(とみすやま、大洲市)

2020年7月1日(水)(愛媛新聞ONLINE)

山頂から眺めるツツジ越しの大洲盆地の大パノラマは見事

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冨士橋から眺める冨士山。緩やかで美しい山容が眺めるものの心を和ませる

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968年のNHK朝の連続ドラマのロケ地となった「おはなはん通り」を歩けば、ひとときの観光客気分が味わえる

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国の重要文化財に指定されている如法寺の仏殿は荘厳な雰囲気が漂う

国の重要文化財に指定されている如法寺の仏殿は荘厳な雰囲気が漂う

文・写真−忠政啓文

 

 

 

 緑が芽吹き、花が咲き乱れる春。自然豊かな愛媛には春の絶景を楽しめる名所が数多くあるが、中でも有名なスポットの一つが大洲市の冨士山だ。ツツジの名所として知られ、山頂からの眺望を一目味わおうと毎年大勢の見物客が訪れるが、私のお勧めは麓から山頂にかけて歩きながら、大洲の歴史文化と共に山の魅力を堪能する楽しみ方だ。

 

 スタートは大洲まちの駅あさもや。周囲には明治時代を思わせる街並みが広がり、タイムスリップしたような景色についつい見とれ、歩き初めからのんびりした足取りになってしまう。白壁の家々の間の路地を縫うように東へ進むと肱川河畔へ。川沿いを南へ下るとすぐに臥龍山荘の茅葺屋根が目に飛び込んでくる。臥龍山荘は、大洲市新谷出身の豪商、河内寅次郎が明治40(1907)年に建設。主屋の臥龍院は、京都の桂離宮や修学院離宮を参考に造られた数寄屋造りの名建築で、山荘南端の茶室・不老庵、臥龍院付随の文庫とともに国の重要文化財に指定されている。

 

 臥龍山荘を後にして、さらに南へ進み、臥龍の湯の脇に架かる冨士橋を渡る。橋の上から東を見上げると、対岸の如法寺河原の背後に冨士山がそびえる。その姿が富士山に似ていることからその名がつけられただけあり秀麗な山容は見事。川面に映る逆さ富士ならぬ「逆さ冨士」もまた絶景で、足を止めて見入ってしまう。

 

 さて、肱川を渡ったら登山開始だ。登山道を登り始めるとすぐ左手に杉木立の続く如法寺の参道が現れる。如法寺は寛文9(1669)年、大洲藩主加藤泰興が盤珪永琢を招いて開山した寺。盤珪開山の寺は、全国に50余カ寺とも言われるが、当寺は盤珪の郷里兵庫県網干の龍門寺とともに二大道場と称されている。創建当時の姿を今に伝える仏殿は、良質な木造りと優れた意匠・構造形式を示した近世禅宗仏殿を代表する遺構。国の重要文化財に指定されており、一見の価値ありだ。

 

 如法寺の参拝を終え、山上を目指し再スタート。車道を歩き、「椿の路」という遊歩道を抜け、コンクリート舗装の登山道を登ること約2㎞で山頂に到着する。一帯には6万3千本ものツツジが植えられており、毎年5月頃には山頂一帯が一面ピンク色に染まる国内有数のツツジの名所となっている。また、展望台から眺める色鮮やかなツツジのフレーム越しの伊予の小京都・大洲の城下町の風景は実に見事。歴史と文化、そして自然が織りなす冨士山の風景は県民が愛してやまない愛媛を代表する春の絶景だ。

 

 世の中の流れが刻一刻と変化していく今日この頃だが、毎年変わらぬ美しい景色で楽しませてくれる冨士山で、ひと時の癒やしを味わっていただきたい。

 

 

 

【 冨士山(大洲市)】

 

 

 

 

 

 

 住所:大洲市柚木

 

 電話:0893(24)2664(大洲市観光協会)

 

 距離:約4㎞

 

 所要時間:約90分

 

 注意事項:車道を歩く機会が多いので、車の往来には十分に注意を。

 

 

 

【ワンポイントアドバイス】

 

 春も盛り、野に山に出かけたくなる季節の到来。新型コロナウイルス感染予防の観点から言えば、密室・密接・密集の「3密」を避けながら、家族で思う存分運動を楽しめるトレッキングは今お勧めのスポーツのひとつと言える。しかし、山に不慣れな人がたまにトレッキングをすると、下山後に太腿や腰の筋肉痛が酷い…という人も多い。登り下りの坂道、舗装されていない不整地など足元が不安定な環境を、身体への負担を減らして楽に歩くためには「バランス感覚」が重要。バランスが崩れると歩いている際に特定の筋肉への負担が高まり、極度の筋肉痛の原因になる。

 

 トレッキングの際には、どんな状況でもバランスを崩さないように歩くことが重要。常に姿勢を重力の方向に垂直に保つ。身体が左右にぶれない。足の裏全体でしっかり身体を支えるという3点がバランスをうまく保って身体への負担を減らし、楽に歩くコツなのだが、トレッキング時だけ意識しても、すぐにバランス感覚が向上することはない。そう、日頃のトレーニングが必要なのだ。そこで今回はその場でできるバランストレーニングをご紹介。トレッキングにとどまらず、ランニングやウオーキング、その他のスポーツでも役立つ、簡単かつ効果的なトレーニングなので、仕事や家事の合間など暇を見つけて実践してみよう。

 

 

 

<その場でできるバランス向上トレーニング>

 

①基本姿勢

 

片脚立ち。支持脚は膝をのばし、上げた脚は太腿が地面と水平になるように保つ。このまま2~30秒キープ。左右両脚実施する。

 

 

 

 

②手の上げ下げ

 

①の状態で左右の手を交互に10~20回ゆっくり上げ下げする。手を入れ替えるたびに微妙にバランスが崩れるので、体幹部の筋肉でうまく身体をコントロールしよう。左右両脚実施。

 

 

 

 

③手の回旋

 

①の状態で、片手をまっすぐ胸の前、反対をまっすぐ肩の横に伸ばす。時計の針が「3時・9時」を指し示すような形を、手を入れ替えながら交互に10~20回繰り返す。左右両脚実施。

 

 

 

 

この記事は、スポーツマガジンE-dge2020年5・6月号に掲載しています。

 

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