県高校夏季野球大会・中予地区大会
第1日 1回戦【伊予 0-10 聖カタリナ】聖カタリナ攻守快調 伊予3回以降つかまる
2020年8月2日(日)(愛媛新聞)
<坊っちゃんスタジアム 1回戦(15時16分)>
【評】聖カタリナ学園が快勝した。三回に安藤らの3連打で2点を先制すると、五回には敵失にも乗じ3点を挙げて勝負を決めた。守りも渡辺豪の緩急を生かした投球のほか、遊撃中山学の堅い守備が目を引いた。
伊予は一、二回のピンチは切り抜けたが三回以降つかまった。攻撃は三塁を踏むことができなかった。
◆低め意識して投球◆
【聖カタリナ学園・渡辺豪投手】(6回1安打無失点)「打たれた1本も相手を崩した形。しっかり低めを意識したことが結果につながった。次は秋にコールド負けした新田。初回からチャンスをつくり攻撃の野球をしたい」
◆1勝贈れず悲しい◆
【伊予・木村一塁手】(四回にチーム唯一の安打を放つ)「4番として自分らしい力強いスイングをしようと心がけた。監督や保護者らに1勝をプレゼントできなかったのは悲しいが、楽しく元気よく戦うことができた」
【うちわ・パネル 静かにエール 保護者や部員】
スタンド入場を保護者や控え部員らに限定し、新型コロナウイルスの感染対策が講じられた高校野球県夏季大会。大声やメガホンでの応援は禁止され、保護者らは手作りした選手の名前入りうちわを使うなど工夫してエールを送った。
坊っちゃんスタジアムでは、伊予高の保護者が声援に代えて手作りのパネルを掲示。「甲子園の土世代」「最大限の自己成長」との言葉を並べた。
甲子園の土世代という言葉は、3年の島川大冴二塁手の父・友孝さん(41)ら保護者会のアイデア。プロ野球の阪神と阪神甲子園球場が全国の3年生部員に甲子園の土を贈ったことが由来で「子どもたちがコロナ世代と病気の名前で呼ばれるのは悔しいと思い考えた。選手からはあまり見えないかもしれないが、精いっぱい応援したい」と話した。
松山商業高の応援席ではマスク姿の保護者や部員ら100人以上が間隔を空けて座った。6回に逆転した際は、声を抑えつつ両手を突き上げて喜び、大きな拍手を送った。3年の原龍誠中堅手の父で、同校野球部OBの実誠さん(46)は「3年生はなかなか心の整理がつかないと思うが、チームで心を一つにして一試合でも長くプレーしてほしい」と願っていた。