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2020
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山瀬理恵子の行ってこ~わい 愛媛食材で愛あるアス飯

⑬アマゴ 松野産アマゴの塩焼き 夏野菜みぞれがけ

2020年8月22日(土)(愛媛新聞)

 清流に育まれた「アマゴ」を求めて、松野町へやってきた。総面積の8割以上を森林が占め、四万十川の愛媛県側の支流・広見川や目黒川が流れるこの町で、料理研究家、山瀬理恵子さんが「森」と「川」、そこではぐくまれる生命と触れる旅が始まる。

 

 

【全国的にも珍しい淡水魚水族館】

 今年の梅雨は長かった。7月27日だというのに、まだ梅雨が明けない。この日もあいにくの雨。「晴れ女」を公言する山瀬さんの神通力も通じず、傘をさしてのロケスタートとなった。

 広見川のほとりに建つ「虹の森公園おさかな館」(松野町延野々)。日本三大怪魚の一つとされ、コミック「釣りキチ三平」でもその魅力が紹介されたアカメ。この地域の伝統漁具を使った「ジゴク漁」で捕獲されてきたウナギ。清流に生息するアユ、今回のお目当てアマゴなど、四万十川水系に生息する魚類を中心とした生物や世界の淡水魚を展示する、全国的にも珍しい淡水魚水族館だ。

 

 恩田勝也館長が解説する。サケ科サケ属の「アマゴ」は、実は「サツキマス」と同じ種類。内陸部の淡水だけで一生を終える「陸封型」をアマゴと呼び、海へ行き繁殖のため元の川に戻る「降海型」がサツキマス。アマゴは渓流釣りで人気の魚だが、ニジマスと違って神経質な魚だそうで、釣り上げるのは難易度高め。食材の確保は、山瀬さんの腕次第か…。

 

【滑床渓谷 「自然を壊さずに生かしていく」】

 田園風景はやがて、自然林に囲まれた渓谷の景色に変わる。水族館から車を走らせること約30分。目黒川の最上流域にある「滑床渓谷」にたどり着く。その名の通り、花崗岩の滑らかな河床が特徴。雪輪の滝や、千畳敷、出合滑と呼ばれる自然が作り出した渓谷美の中で、キャニオニングが楽しめるスポットとして近年、人気を集める。

 松野町が「森の国」として、約30年前からホテルやロッジを建設し、全国に発信してきたエリア。今春には「森の国水際のロッジ」がリニューアルオープン。大自然の中でゆったりとした贅沢な時が流れる場所だ。

 

 「この森にあそび この森に学びて あめつちの心に近づかむ」

 初代町長で、滑床の観光開発に力を注いだ故・岡田倉太郎氏が作った詩。「自然を壊さずに生かしていく」と最小限の開発を目指した。滑床観光開発の第一歩が1957年の町営ユースホステル万年荘建設。入山客の宿泊施設として親しまれてきた「万年荘」の管理人を務め、10年前に滑床養魚場(同町目黒)の管理人となった竹内義富さん(70)はいわば、「森の国の管理人」。

 

 

 

【大雨時は泊まり込み 養魚場管理人の竹内さん】

 滑床養魚場では、滑床渓谷からの清流を引き込み、アマゴやニジマス、アユを育てる。竹内さんは、わが子のように魚たちを育ててきた。特に神経を使うのが大雨時の管理。渓谷から引き込む水路に木くずや石が詰まると、水が止まってしまう。川の流れのように、絶えず清流が流れ続けないと、魚たちは息絶えてしまう。「今年の梅雨時期は1週間続けて、管理棟に泊まりました。徹夜で作業することもあります」と竹内さん。並々ならぬ愛情を魚たちにそそぐ。

 「釣り堀でもあります」という竹内さんの誘いを受けて、いざ、アマゴ釣りに挑戦! 

 釣り経験は全くないという山瀬さん。「ぴくっとしたら、少し待って竿を上げる」とアドバイスを受け、第1投。水槽内をアマゴの大群が泳ぐ。釣り糸が上下にぴくぴく動くが、餌をとられた。「上げるのがちょっと早いかな」と竹内さんが見本を見せてくれる。1発で釣り上げた。「たまたま釣れただけです」と謙遜するが、さすがの腕前だ。

 山瀬さんも再度挑戦。「あーー!きゃーーー!」と悲鳴にも似た声。アマゴがかかっているではないか。自慢顔でひとしきり興奮した後に、「絶対私が釣らないと収録が終わらないから、プレッシャーがすごかった」とポツリ。陽気な山瀬さんにも、プレッシャーがあるのですね。

 竹内さん曰く、上げるタイミングは「勘」。アナログな遊びだからこそ奥深い。養魚場では9月30日までアマゴ釣りが体験できる。ハマること間違いなし。

 

 

【アマゴの塩焼きにたっぷり野菜をプラス】

 釣ったアマゴを携え、近くの目黒基幹集落センターへ。竹内さんが串にさし、塩焼きしたアマゴは、「サケのような味わい」(山瀬さん)。素材のおいしさが伝わる鉄板のシンプル料理だ。

 アマゴは脂質の多くがオメガ3系脂肪酸で、中性脂肪を減らしたり血液をさらさらにしたりするDHAやEPAが含まれている。「カルシウムの吸収を助けるビタミンDを含むため、免疫力向上や筋肉の質を高める効果もあります」と山瀬さんの解説。そのアマゴを、夏野菜を使ってさっぱりとした味わいにアレンジするのが今回のアス飯だ。

 陽気でお茶目な竹内さんが調理全般を任された。「この番組はゲストが調理するんですね」「料理の中で一番嫌なのが大根おろし。疲れる」「(野菜を炒めながら)私がしんなりしてきました」。笑いが絶えないロケ現場。

 

 普段は、突拍子もないコメントを口にする山瀬さんだが、調理シーンでは、料理研究家の本領発揮。「シシトウは血行を促進し、けがからの回復時に重宝する」「パプリカは縦に繊維が入っており、繊維に沿って縦に切ると栄養を多く取れる。特に赤パプリカは抗酸化力が高いキサントフィルが豊富で呼吸持久力を高める」「大根は皮ごと下ろすと抗菌抗酸化作用のイソチオシアネートやビタミンCが多く摂取できる」。豊富な知識はさすが!

 ケガからのリハビリ中だった夫の愛媛FC・山瀬功治選手にも最適な料理に仕上がった。理恵子さんのアス飯が功を奏したのだろう、8月12日の試合から功治選手は復帰を果たした。

 山瀬さんは「小さいアマゴは骨ごと食べられる。酢を使うと疲労回復や食欲増進効果があるので夏におすすめしたい」。疲れた体にさっぱりした酢が染み渡り、細胞が生き返るようだった。

 

 

【森の魚 その意味とは】

 冒頭の「おさかな館」に、広見川で泳いでいるかのように建つモニュメントがある。石彫像「森の魚」。四万十川のシンボル的存在である「アカメ」を、石から掘り出した作品。

 「森から水が生まれ、そして海に流れ、生命を育み、大地に恵みを与える」

 制作者である石彫家・藤部吉人さん(故人)は、よく、そう話していた。生命の源ともいえる「森」と、そこから生まれた水、生命、恵みに出会う旅だった。

 

【おさかな館優待券を20人にプレゼント!】

 動画を観てクイズに答えよう!正解者の中から抽選で20人に「虹の森公園おさかな館」の優待券1枚をプレゼント!9月23日午前11時59分締め切り。

※応募は終了しました。たくさんのご応募ありがとうございました。

 

 次回は松前町で松山長なすに出会います。

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