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Ehime eスポーツ最前線

<3>仕掛け人 ゲーセンにあったコミュニケーションを 松山に専門店 絶えぬ客足

2020年9月22日(火)(愛媛新聞)

eスポーツ専用施設の営業を始めた谷本雅章さん=15日、松山市本町3丁目

eスポーツ専用施設の営業を始めた谷本雅章さん=15日、松山市本町3丁目

 雑居ビルの薄暗い通路を抜け、階段を上った先。近づくと、カチャカチャとボタンをたたく音が少しずつ漏れ聞こえ始める。看板もなく、近づくのに若干の勇気を必要とするあたりは、さながら一昔前のゲームセンター。入り口の扉を開けると、そんな印象を覆す明るい雰囲気に少し面食らう。真っ白な照明の下、若者らが真剣な表情でeスポーツの対戦を繰り広げていた。

 9月上旬、松山市本町3丁目に開店したeスポーツ専用施設「eSPORTSspaceプリーズ松山店」。オーナーの谷本雅章さん(39)は、県内で増えてきたeスポーツイベントのほとんどの運営に関わる。いわばブームの「仕掛け人」の一人だ。

 高知市出身。小学5年生で「ゲーセン通い」を始めたという筋金入りのゲーム好き。松山大経済学部を卒業後、岡山市で不動産会社に勤務していたが、「多くのゲーセンがつぶれ、ゲームする場所がない」というかつての仲間の声に応えようと2018年5月、高知市でeスポーツ専用施設の営業を始めた。

 経営はうまくいっていたものの、新型コロナウイルス禍で客席を半減させて収益が悪化。以前からイベント運営の相談を受けており、「高知とは比較にならないほど自治体や企業がeスポーツに力を入れていて、将来性がある」とみていた松山に今春移住し、併せて店舗も移転した。

 「外の看板にお金をかけるくらいなら、中の設備を充実させたい」という松山店。口コミや会員制交流サイト(SNS)で情報が広がり、オープンから県内外の客足が絶えないという。オンライン対戦に時代が移り変わる中、何を求めて集まっているのか。「同じ趣味を持つ仲間とたわいもないことをしゃべったり、テクニックを教わったり。昔のゲーセンにあったコミュニケーションの文化を残したい」と谷本さん。

 一方で「地域のeスポーツの拠点として、何でも相談できる『よろず屋』でもありたい」とも語る。ゲーム漬けの「引きこもり」が社会復帰する足掛かりに、専用施設がなり得ると強調する。

 県内でeスポーツを推進する愛媛県eスポーツ連合のアドバイザーに就いている谷本さん。高知県eスポーツ協会の理事長も務めるなど、その活動は四国全域に広がる。それだけに香川県が4月に施行した「ネット・ゲーム依存症対策条例」は気になる。「平日60分までとゲーム利用時間の目安を行政が決めるのではなく、家庭内で決めるべき話。家庭内のコミュニケーションすらもなくなりつつある」

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