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愛・スポーツ(インタビュー)㉗

松山市立椿中学校剣道部顧問 坪田朋也さん(43)

2020年11月19日(木)(愛媛新聞ONLINE)

 

 

 

 

 中学校教諭で剣道部の顧問だった父の背中を見て育った。小学1年生で地元の道場に通い始め、竹刀を交える緊張感に引き込まれた。中学校で剣道部の顧問だった先生に憧れ、教員の道を目指した。

 採用試験に合格するまで13年かかった苦労人だ。臨時講師や地元テレビ局でのアルバイトを続けながら「どうしても教員になりたい」と、初心を貫き、毎年挑戦した。中学校が希望だったが、採用人数が多い小学校区分を受験し35歳で採用。翌年、念願かない中学校に異動し部活動で剣道部を受け持った。当時の教え子が今年、中予地区の高校新人大会で優勝したという。

 17年、椿中に赴任。剣道部に入部する約9割が初心者という。「初めはあいさつや荷物をそろえるなど基本ができない生徒も多い。剣道をすることで相手に感謝することが一番だとその都度、練習を止めて言っている」と礼儀を徹底する。上達だけを目指すのではなく、稽古を積んで自分に自信を付ける、集団の中で頑張る「自分づくり」を意識して指導している。「僕は学生時代強くなかったから、自分も面が打てなかったな、とか生徒の気持ちが分かる。どういう風に伝えたらいいか丁寧に教えることはできていると思う。新入生で入部を迷っている生徒には『剣道は球技が苦手でも、やる気さえあればできる』と勧めています」。

 昨年、女子が市総体と市新人大会で優勝。今年は男女で県総体出場が目標だった。その矢先、新型コロナウイルスで総体中止が決定。3年生に最後の舞台を経験させてあげられなかったことが一番の心残りだ。3年生に総体中止を伝え、今後どうするか聞いた。答えは「二段の審査まで剣道を続けたい」。その時は審査が開かれるか分からない状況だったが、中学校の道場でけいこを続け、6人が合格。9月には県総体の代替大会が開かれた。「皆さんの尽力で大会を開いてもらい、人に支えられていると実感した」と周囲の温かさに触れた。

 現在、部員19人のうち2年生は2人。「休憩中も竹刀を振ったり打ち合いをしたりしてすごく意欲的。1年生がバックアップできるように2年生のレベルまで追い付いて、最後は男女で県大会に行きたい」と今年果たせなかった目標のリベンジに挑む。

 剣道の楽しさは「生涯続けられる。幅広い年代と竹刀を交えて関係が築けるところ」というように、自身も親子3世代で剣士。「大人になっても剣道を続けてくれたり、生徒が親になった時にその子どもが剣道をしてくれたり。そういう場面に出会えることが喜び」と笑った。

 

 坪田朋也(つぼた・ともや)さん 松山市出身。小野中―松山商高―国際武道大。2012年、椿小に赴任。内宮中教諭を経て17年から現職。

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