バレー高校選手権県大会・女子
松山東雲5連覇 多彩な攻め 済美押し切る
2020年11月24日(火)(愛媛新聞)

【女子決勝 松山東雲―済美】第3セット、ジャンプトスを上げる松山東雲・加納(2)=県総合運動公園体育館

【女子決勝 松山東雲―済美】第3セット、ジャンプトスを上げる松山東雲・加納(2)=県総合運動公園体育館
バレーボールの全日本高校選手権県代表決定戦最終日は23日、県総合運動公園体育館で男女の準決勝と決勝を行い、女子は松山東雲が5年連続7度目の頂点に立った。
決定戦は21日から3日間開催。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、当初の予定を変更し、無観客で行われた。
男女の優勝校は来年1月5日から東京体育館で開かれる全国大会に出場する。新型コロナの影響で無観客で実施する。
【磨いた技 攻撃多彩 連係深め光る個性】
女子の松山東雲は2017年の全国中学校体育大会で3位入賞したメンバーが3年生となり、長年磨いた連係と高い個人技でチームを5連覇に導いた。
まず成長した姿を見せたのはセッター加納だ。2年生エースの佐伯が警戒されてブロックが続いた序盤、「ブロックが1枚になりそうなところを狙ってトスを上げた」と隙を突く配球に切り替えてアタッカー陣を操った。
要所ではツーフェイントやスパイクなど自身も積極的に攻撃参加。「相手を翻弄(ほんろう)するような、面白いバレーをつくりたい」という言葉通りの試合を組み立てて、第1セットを先取した。
第2セットは中盤までシーソーゲームだったが、楠岡が9―8から2本続けて決め、大きく流れを引き寄せた。「佐伯ほどパワーがない分、私は『いやらしいバレー』で勝負する。スパイクする直前までコートを見て空いているところを探している」。ネット際に軽く落とすスパイクは試合を通じて何度も決まり、攻撃のアクセントとなった。
第3セットはライト西川が躍動。レフト佐伯とともにパワフルなスパイクで得点を積み上げ、最後は加納が「1年からずっとレギュラーだった西川に決めてほしかった」と上げたトスを左手で打ち抜いて優勝を決めた。
伝統の「粘りのバレー」から「個性を生かすため」(山本監督)攻撃的スタイルへと進化を遂げた松山東雲。3年生らが語る「全国大会で4強入り」の目標も、中学時代に成し遂げた彼女たちならば不可能じゃないかもしれない。