バレー高校選手権県大会・男子
松山工が4年ぶり26度目頂点 松山東下す
2020年11月24日(火)(愛媛新聞)

【男子決勝 松山工―松山東】第3セット、ブロックで17―15とリードを広げる松山工・楢崎(5)=県総合運動公園体育館

【男子決勝 松山工―松山東】第3セット、ブロックで17―15とリードを広げる松山工・楢崎(5)=県総合運動公園体育館
バレーボールの全日本高校選手権県代表決定戦最終日は23日、県総合運動公園体育館で男女の準決勝と決勝を行い、男子は松山工が4年ぶり26度目の頂点に立った。
決定戦は21日から3日間開催。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、当初の予定を変更し、無観客で行われた。
男女の優勝校は来年1月5日から東京体育館で開かれる全国大会に出場する。新型コロナの影響で無観客で実施する。
【昨年の悔しさ 力に 好ブロック 流れ呼ぶ】
終わってみれば3―0のストレート勝ち。ただ、数字に表れない起伏を乗り越え、松山工が再び王座にたどり着いた。
第1セットは快調そのもの。勝負どころは7―6の場面だった。前衛は184センチ白川と179センチ楢崎、182センチ田窪の3人。高い壁をつくって相手ポイントゲッターの強打をはじき返し、2連続ポイントを奪取。次は相手がブロックを嫌がり、打ったボールは大きくコートをそれた。
その後も連続得点は続き、リードは7点に拡大。田窪は「あのブロックで空気が変わった。流れが来た」。25点目もブロックで奪い、高さを武器に先手を取った。
困難が訪れたのは第2セット。「相手エースに当たりが出だして気持ちが引いてしまった」と吉田監督。終盤まで一進一退。力を発揮したのが、悔しさを知る白川と田窪の2人だった。
昨年の新田との決勝は、セットカウント2―0と優勝に王手をかけながら逆転負け。勝負の厳しさを知った2人は、チームの屋台骨へと成長した。このセット、大事な局面で集められたトスをしっかりと打ち切り、勝利の立役者となった。
男子最多優勝を誇る強豪もこの3年は苦杯をなめた。白川は兄が3年前の松山工メンバーで、大会前に「名門を復活させてくれ」と思いを託されていたという。吉田監督は「3年間の負けがあり、向上できた」。先輩の涙も力に、伝統校が捲土(けんど)重来を果たした。