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激動と低迷 愛媛FC2020

<4>勝ち点最少 成長と結果 両立難しく

2020年12月30日(水)(愛媛新聞)

完敗したホーム甲府戦。前半で2失点し、攻撃面でもチャンスをつくれずシュート3本に終わった=9日、ニンスタ

完敗したホーム甲府戦。前半で2失点し、攻撃面でもチャンスをつくれずシュート3本に終わった=9日、ニンスタ

 チームはリーグ終盤の9連戦の5戦目に当たる39節京都戦から大きく失速、2度目の5連敗でシーズンを終えた。

 

 最後の5試合は、今季の良くない場面が全て出たような内容だった。前半のうちに失点し、4試合で追加点も許した。川井監督の退任や複数選手の退団が発表された直後の40節琉球戦では6失点と守備が決壊。相手のプレッシャーを受けて攻撃らしい攻撃がほとんど仕掛けられず、無得点に終わっている。

 

 「力がない」という諦めに似た言葉も、最終盤のチームからは頻繁に聞かれるようになった。

 

 川井監督の掲げる、ボールを保持して仕掛けるスタイルを示そうという意志を最後まで貫き、多くの選手から成長を実感する声も上がった。だが結果はなかなか出ず、勝ち点はJ2が22チーム体制になった2012年以降最少の34。過密日程の中、年々レベルが上がるJ2で、突出した選手がいないチームが成長と結果を両立させるのは困難を極めた。

 

 疲労回復を優先し、5人の交代枠をフルに使った結果、所属選手ほぼ全員がピッチに立ったが、技術や戦術の浸透度合いには個人差もあり、「もっと落とし込みたかった」と川井監督は話す。

 

 自陣からボールを保持して仕掛けるスタイルは、ミスが失点につながるリスクを伴う。連動して優位な展開をつくりだすには、それぞれが状況判断し、考えを共有するコミュニケーションが必要不可欠な要素となる。

 

 だが、年間を通して試合中に声を掛け、統率を図ろうとした選手は一部。「判断が難しい状況では、もう少し割り切ってロングボールを増やしてもよかった」(横谷)「ボール保持をどこまでやるかの線引きは、どの試合でも足りなかった」(有田)。意識の共有は最後まで深まらないままだった。

 

 J3降格がなかった今季は、未来を見据えた挑戦が可能な1年でもあった。川井監督は「結果を出せなかったことは申し訳なく思う」と話す一方で、選手起用には戦力の現状をクラブに示す意図もあったという。ただ、それは「僕一人で考えていたことでもあった」と、フロントとのコミュニケーション不足があったとも明かした。

 

 この1年で愛媛FCのJ2での厳しい立ち位置や課題が、これまで以上に浮き彫りになった。来季はJ3への降格が4チームとなり、より一層厳しい戦いが待っている。和泉新監督のもと、選手、スタッフ、フロントを含めたクラブの総力が試される次のシーズンは、息つく間もなくスタートする。

 

=おわり

 

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