黒船再来 12歳が天気で予測!?
双子作家・佐和みずえさん(西予出身)児童書「江戸の空見師 嵐太郎」出版
2021年1月20日(水)(愛媛新聞)


世界中の天気がわかる日が来る。そして、それをみんなが利用する時代が来る―。今でこそ当たり前の天気予報だが、幕末の江戸に空見(天気予報)の得意な少年がいたら!? 西予市出身の双子姉妹作家「佐和みずえ」さんがこのほど、児童書「江戸の空見師 嵐太郎」(フレーベル館)=写真=を出版した。不思議な能力を持つ12歳の少年を主人公に、黒船来航という史実を合わせた幕末歴史フィクションになっている。
姉妹は芝寿美さん(65)=東温市=と高橋美和さん(65)=大分市=で、小説や絵本を共同執筆している。
時は1853(嘉永6)年、幕末の江戸。嵐太郎のもとに、奉行所からあるお達しが舞い込んだ。「今年浦賀に来航した『黒船』が、ふたたび日本にやってくる日を予測せよ」。一世一代のお役目に、嵐太郎は困難や挫折を乗り越え、道を切り開いていく。きょうだいの絆や友との出会い、人々との触れ合いなども描かれる。
「江戸時代に天気予報をする人たちがいたことを知り、興味がわいた。米や麦などの実り具合が人々の生死を分けていた時代、先の天気を知ることは重要だったはず」と佐和さん。「嵐太郎と一緒に冒険するようにわくわくしながら読んでもらえたら」と話している。