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乳がん患者の入浴着、理解を(東京新聞)

2021年2月13日(土)(愛媛新聞)

ブライトアイズが開発した乳がん患者用の入浴着(同社提供)

ブライトアイズが開発した乳がん患者用の入浴着(同社提供)

女性の脱衣室に貼られた入浴着の着用を周知するポスター=東京都板橋区の「前野原温泉 さやの湯処」

女性の脱衣室に貼られた入浴着の着用を周知するポスター=東京都板橋区の「前野原温泉 さやの湯処」

入浴着への理解を呼び掛けようと道後温泉本館に貼られたポスター=3日、松山市道後湯之町

入浴着への理解を呼び掛けようと道後温泉本館に貼られたポスター=3日、松山市道後湯之町

 「入浴着の着用を認めてもらえませんか」。東京新聞の「発言」欄に2020年10月、温泉や銭湯で乳がんの手術痕を見せたくないという友人の気持ちを代弁した東京都の主婦(60)の投稿が載った。東京新聞の「ニュースあなた発」班が調べてみると、国は着用への理解を求めているが、周知が進んでいない実情が見えてきた。

 

 公衆浴場の衛生面を管轄する厚生労働省の担当者は「乳がん手術や皮膚移植などの傷痕を覆う衛生的な入浴着ならば利用を認めている」。ホームページやツイッターでも周知しているが、あくまでお願いベースという。

 

 入浴着の素材や形状に決まりはない。女性のがん患者向けに衣料品などを通信販売するブライトアイズ(東京都)が扱う入浴着(税別3800円)は、はっ水性を重視してナイロンとポリウレタン製。片側だけに肩ひもが付いた丈の短い、背中が大きく開いたキャミソールのような形をしている。

 

 「『何を着て入浴しているの』と怒鳴られたとの声が届いています」と嘆くのは、認定NPO法人「J・POSH」(大阪市)の平田以津子事務局長(66)。入浴着で入れる全国の温泉旅館やスーパー銭湯約220軒を二つのサイトで紹介している。法人がブライトアイズと共同企画した入浴着の貸し出しをする施設もある。

 

 東京都板橋区の日帰り温泉施設「前野原温泉 さやの湯処」では6年ほど前から入浴着の利用を認めている。「傷痕で周囲の人を驚かせたくない」との利用客から届いたメールがきっかけだった。女性用脱衣室に入浴着を周知するポスターを掲示し、利用客の理解も進んでいるそうだ。

 

 一方、全国のスーパー銭湯や日帰り温泉施設計187軒が加盟する「温浴振興協会」(横浜市)の諸星敏博代表理事(67)は「施設では入浴着による利用客同士のトラブルを避けたがる傾向がある」と、積極的な周知を控える施設があることを明かす。

 

 J・POSHの平田さんは「入浴着を広く知ってもらえるように今後も活動を続けます」と力を込める。投稿者の女性は「施設の受付に『入浴着OK』の表示があれば分かりやすい」と提案している。(東京新聞)

 

 

 

【愛媛では、道後温泉などで入浴着利用可】

 

 愛媛を代表する温泉、松山市の道後温泉でも入浴着は利用できる。市道後温泉事務所によると、本館、椿の湯、別館飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)の3館とも利用を認めている。実際に「入浴着を使いたい」との相談を受けることもあり、その際には問題ないと伝えているという。

 

 2年前からは「入浴着を着用しての入浴にご理解をお願いします」と記したポスターを本館入り口、椿の湯脱衣所に貼って周知を図っている。「できるだけ多くの人に道後の湯を堪能してもらいたいと考えており、入浴着を遠慮なく活用してほしい」としている。

 

 このポスターは、厚生労働省の通知を受けて市保健所生活衛生課が2019年1月に作成。「入浴直前に着用し、浴槽に入る前に付着したせっけんをよく洗い流すなど、清潔な状態で入浴着を使用される場合は衛生上問題ない」などと説明している。市内の公衆浴場や旅館など計約300施設に送付。市ホームページでも公開し理解を呼び掛けている。(桑原大輔)

 

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