東京V戦
愛媛FC 無得点3失点 開幕戦飾れず
2021年3月1日(月)(愛媛新聞)
明治安田J2リーグは28日、第1節の9試合が行われた。愛媛FCは東京都調布市の味の素スタジアムで東京Vと対戦、0―3で完封負けし、和泉監督の初陣を白星で飾れなかった。
愛媛FCは前半に2失点。後半も1失点し、攻撃では無得点に終わった。
J3から昇格した秋田は群馬に1―2で競り負け、相模原は京都に0―2で敗れた。ともに初のJ2は黒星スタート。
琉球は磐田を1―0で破り、大宮は水戸に2―1で逆転勝ち。千葉―甲府と町田―山形は1―1で引き分けた。
愛媛FCは次節、7日午後2時から、県総合運動公園ニンジニアスタジアムで千葉とホーム開幕戦を戦う。
【評】愛媛FCは前線の守備から攻撃につなげるなど、見せ場をつくりながらもゴールを奪いきれず、完封負けした。
前半は主導権を握り、連動した守備から相手ゴールに迫った。近藤や藤本がシュートを放ったが取り切れず、37分とロスタイムに失点。守勢に回った後半21分にも3失点目を浴びた。
[オーレEFC]
【戦術浸透と決定力に差】
スコア上は完敗だが、新体制で取り組んできた狙いは攻守とも一定程度示せた開幕戦だった。監督就任3年目の東京Vと、J初采配の監督が率いる愛媛FC。スコアの差は、戦術の浸透と決定力の差のように映った。
「失点するまでは準備してきた守備のオーガナイズ(構築)はうまくやれていた」とFW近藤。高い位置から相手にプレッシャーをかけてボールを奪い、相手ゴールに推進力を持って迫る場面は、特に前半で目立った。奪えば裏のスペースに抜け出していける近藤の特長を生かし、何度かチャンスも生まれた。
だが放ったシュートはGK正面。決めきれず、2次攻撃ができるほどの厚みもつくれなかった。一方、東京Vは勝負どころで落ち着いて得点を重ねていった。
がむしゃらにチャレンジした結果だが、細部では粗さも見られ、速い攻撃を意識するあまり、ミスが増えたりボールを奪われたりする場面も。前半からアグレッシブに走ったため、後半は疲労の蓄積も影響した。
DF茂木は「前から行くときと我慢するときのコントロールは必要」と時間帯や流れを踏まえた状況判断に課題があったと分析。「前線の選手ともっとコミュニケーションを取り、ボール保持者の判断ももっとよくしないといけない」と話した。
「まだ1試合目」と悠長なことは言っていられないが、「前から奪ってつくれたチャンスはプラスに考えたい」と茂木が話すように、大枠では手応えもあったはず。まだチームは発展途上。課題を修正し、早く完成形と勝利を見せてほしい。