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「風化させてはいけない」

来島海峡大橋桁落下事故から23年、遺族や工事関係者が慰霊

2021年6月10日(木)(愛媛新聞)

事故で殉職した7人を悼み、現場近くの慰霊碑に献花する本四高速職員=10日午前、今治市馬島

事故で殉職した7人を悼み、現場近くの慰霊碑に献花する本四高速職員=10日午前、今治市馬島

 瀬戸内しまなみ海道開通前年の1998年に、愛媛県今治市馬島で来島海峡大橋の工事用仮設桁が落下し、作業員7人が死亡した事故から10日で23年を迎えた。新型コロナウイルス禍で少人数での追悼となったが、遺族は仏前で、作業員が所属していた関連会社職員らは現場近くの慰霊碑前で合掌。「風化させてはいけない」との思いを絶やさず、共に事故根絶を願った。

 

 事故は98年6月10日正午すぎ、海道開通に向け工事がヤマ場を迎える中で発生した。47トンの鉄製仮設桁を解体・降下中に、仮設桁をつっていた作業台車が桁ごと約60メートル下に落下し、はずみで台車に乗っていた23~56歳の7人が死亡。本州四国連絡橋建設史上最悪の惨事となった。

 

 事故発生時刻とされる午後0時02分。現場監督だった次男勝也さん(享年31)を亡くした亀田康さん(87)とふみ子さん(87)夫婦は、遺骨を置く千葉県南房総市の別宅で仏前に線香を供えた。毎年、勝也さんの友人や上司、同僚が大勢訪れるが、今年はコロナ禍で来られない人の分まで線香を立てたという。

 

 康さんは「23年たっても勝也だけが永遠に31歳のまま。やっとの思いで生きてきた一年だった」と無念を明かした。恨みから一度も訪れたことのない今治市だが「橋を渡る人の安全はどうかと今日も天候が気になる」。架橋は男のロマンだと勝也さんは話していたといい、「夢をかなえようと夢中だった7人を思うとやりきれない。橋は平和の象徴。二度とつらい事故がなく、楽しく渡れるよう願っている」と語った。

 

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