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善光寺境内のハト、減った?(信濃毎日新聞)

2021年9月4日(土)(友好社)

ハトがめっきり少なくなった善光寺境内=7月18日、長野市

ハトがめっきり少なくなった善光寺境内=7月18日、長野市

この10年間、善光寺境内のハトの数を数えている羽田さん。たしかに数は減っているという=6月24日、長野市

この10年間、善光寺境内のハトの数を数えている羽田さん。たしかに数は減っているという=6月24日、長野市

 

 善光寺(長野市)の境内から「ハトが減ったのではないか?」との情報が信濃毎日新聞の「声のチカラ」(コエチカ)取材班にメールで届いた。投稿主は今春1年ぶりに訪れた参拝者。「以前はたくさんいたので驚いた」とか。本当に減っているのか? 減っているとすれば、なぜなのか? 参拝がてら関係者を取材した。

 

  記者も実際に、仁王門から山門(三門)を経由して本堂北側までの約500メートルを30分ほどかけて往復してみた。平日だったため参拝者もまばらだが、1往復で見たのは1羽だけだった。

 

  「そういえば、いないよね。減っていると思う」。10年来、境内を散歩コースにしている市内の男性(68)が話した。ここ1、2年で特に減少した印象という。「でも、なぜなんでしょうかね?」

 

  善光寺といえばハトが多く、山門の額の「善光寺」の文字にはハトの姿が隠されていることも有名だ。今春、東京から長野市内に移り住んだ小松智子さん(56)も「確かに、もっといてもいいですよね」と拍子抜けした様子だ。

 

  仲見世通りの店主に聞くと確かに近年はハトが少なくなっているようだ。「以前は夕方になると仁王門の棟にびっしりと並んで羽を休めていたもんよ」と、ある70代店主。別の男性店主は「以前は観光客が歩くだけで足元に擦り寄っていったもんだけどな」。

 

  なぜ、ハトは減ったのか。店主たちが口をそろえるのは2004年の山門改修工事の影響だ。改修前、山門の屋根裏には板で囲われたハト小屋があった。屋根裏のほぼ全面にふんが積もり、分厚いところで約30センチ、全体で5・8トンもの重さになったという。

 

  改修後は山門を「ふん害」から守るため、屋根部分に防護ネットを設置。ちょうど同じ頃、本堂西側にあったハト小屋も撤去した。ただ、今から17年も前の話だ。「最近減った理由を聞かれてもねえ」と、ある男性店主がぼやいた。

 

  「善光寺のハトに精通した人がいます」。困った末、鳥類の生態に詳しい県環境保全研究所(長野市)の堀田昌伸・研究員に相談すると、ある人を紹介された。日本野鳥の会会員で、この10年、境内のハトを数えてきた長野市若槻団地の羽田収(おさむ)さん(83)だ。

 

  羽田さんは元市職員。50年余り野鳥観察を続けてきた。「身近な野鳥の生息実態を調べたい」と15年ほど前から善光寺などで野鳥を観察。善光寺では11年から生息数も記録し始めた。

 

  善光寺での調査は3日に1度のペース。毎回、日の出前に出掛け、本堂や山門、鐘撞(つ)き堂の周辺を40~50分かけて歩き回り、野鳥の数を数える。境内ではハトのほかにカルガモやアオサギ、ムクドリ、キビタキなど45種類ほどが見られるという。

 

  羽田さんによると、境内のハトは正式にはドバトだ。年間120回の調査ではハトは11~18年は累計4千~7千羽台で推移。ところが19年は1906羽、20年は1003羽と急減した=グラフ。

 

  ちょうどこの頃、隣接の県信濃美術館(現・県立美術館)の全面改修工事で、城山公園内のヒマラヤスギなどの大木が撤去された。ただ、羽田さんによると、ドバトは伝書バトとして家禽(かきん)化された外来種で屋根裏の隙間などをねぐらにする。大木の撤去などで数が減るとは考えづらい。

 

  「餌を落としていく観光客が減ったのではないでしょうか」と羽田さん。境内での餌やりは禁止されているが、やはり観光客が落としていく食べ物は魅力的。「ただ、ハトの数の減少幅が大きすぎる。善光寺以外に魅力的な餌場を見つけて集団移住した可能性もあります」とも話した。(信濃毎日新聞)

 

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