牛鬼 つなぐ伝統 守る言い伝え 今治・菊間

牛鬼の頭。手箕や厳島神社の札、和紙などで毎年作り直すが、この2年はできていない
牛鬼の頭。手箕や厳島神社の札、和紙などで毎年作り直すが、この2年はできていない

2020年の牛鬼運行を残そうと厳島神社に奉納した絵馬。縦1㍍、横2㍍ほどの大きさだ
2020年の牛鬼運行を残そうと厳島神社に奉納した絵馬。縦1㍍、横2㍍ほどの大きさだ

牛鬼の胴体の内部。竹を使って4,5年に一度作り直す
牛鬼の胴体の内部。竹を使って4,5年に一度作り直す

各集落の神楽所で行われる神事

例年はにぎわう加茂神社の参道も、静か

「見せてくれてよかった」と通りがかりにお花を手渡す住民(左)
「見せてくれてよかった」と通りがかりにお花を手渡す住民(左)

伸ばした首を勢いよく振り下ろす「打たす」をする牛鬼
伸ばした首を勢いよく振り下ろす「打たす」をする牛鬼

祭りの終わりを惜しむように拝殿で練り続ける中学生ら
祭りの終わりを惜しむように拝殿で練り続ける中学生ら
「カーン、カーン、カーン」。今治市菊間地域に乾いた鐘の音が響き、住民が次々と家から顔を出す。目線の先には、白装束姿の男たちに押される全長7メートルほどの黒い巨体。高々と伸びる首には赤・青・黄色の布が巻き付き、辺りを威圧するかのように顔を動かす。この地で200年以上続く「牛鬼」だ。
地域には「牛鬼を出さなければ地域に病がはやる」との言い伝えが根強く残る。新型コロナウイルスの感染拡大で各地の秋祭りが中止・縮小する中、検討に検討を重ねた判断、慎重に慎重を期した運行でわずかに伝統をつないだ。(竹下世成)
牛鬼といえば宇和島市など南予が有名。東予、中予では唯一の厳島神社(同市菊間町浜)の牛鬼は、竹で組んだ胴体を黒い布で覆い、特徴的な約3メートルの首は胴体から出し入れすることで伸び縮みする。顔には上向いた大きな目と耳、角があり、口の下に描かれたよだれは牛そのもの。顔も鬼のような南予の牛鬼とは、全くの別物だ。
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