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U・Iターン、デュアルライフ…コロナ時代の選択肢

地方で暮らす。新居浜、NEW LIFE。

2021年11月30日(火)(愛媛新聞ONLINE)

四国三大祭りの一つ、新居浜太鼓祭り(新居浜市観光物産協会提供)

四国三大祭りの一つ、新居浜太鼓祭り(新居浜市観光物産協会提供)

四国三大祭りの一つ、新居浜太鼓祭り(新居浜市観光物産協会提供)

四国三大祭りの一つ、新居浜太鼓祭り(新居浜市観光物産協会提供)

 四国のほぼ中央、瀬戸内海に面した臨海部に工場群が広がる新居浜市は、別子銅山開坑以来300年にわたり、住友グループ企業とともに発展してきた四国有数の企業城下町です。温暖な気候で海も山も近く、ショッピングモールや医療機関など生活に必要な施設が車で15分圏内にそろうコンパクトシティー。「全国住み続けたい街2020」(生活ガイド.com)によると、全国815市区町村のうち、四国1位、全国32位にランクインする人気です。ウィズコロナの時代、地方暮らしがいま見直されています。新居浜で働き、暮らす、という新たな選択肢を考えてみませんか。

 

 

CHOICE① 高橋渓人さん(25歳)

 

「フッ軽(かる)」長男、ものづくり企業へUターン

 

同僚と談笑する高橋さん(右)

同僚と談笑する高橋さん(右)

同僚と談笑する高橋さん(右)

同僚と談笑する高橋さん(右)

 自動車メーカーの営業マンから、ものづくりのまちを支える製造業の現場監督へと高橋渓人さん(25)がUターン転職したのは、コロナ禍に見舞われる直前の2019年10月のことでした。新居浜東高校から広島県の大学に進み、卒業後は同県で自動車メーカーの営業マンとして勤務していましたが、両親の勧めもあって、化学プラントのメンテナンスを手掛ける大石工作所(新居浜市多喜浜6丁目)に就職。現場監督として活躍しています。住み慣れたまちで家族と一緒に暮らせる安心感や、祭りなどでコミュニティーの絆が残る地域とのつながりの大切さを改めて感じていると言います。

 

 

 

家族、友人、地域…大切にしたい「つながり」

 

フットボールクラブの仲間と。(中列左から2人目が高橋さん)

フットボールクラブの仲間と。(中列左から2人目が高橋さん)

フットボールクラブの仲間と。(中列左から2人目が高橋さん)

フットボールクラブの仲間と。(中列左から2人目が高橋さん)

 「パソコンに向かうより、体を動かす仕事が性に合っている」と自己分析する高橋さん。現場監督の仕事は現場が円滑に回るよう工程を組んだり、見積もりを取ったりと業務は多岐にわたります。多くの職人を束ねるとともに、部署間の折衝や顧客との交渉も必要。高いコミュニケーション能力が求められますが、持ち前のフットワークの良さや、気配りといった前職の経験が物を言い、先輩や上司からは「フッ軽(フットワークが軽く行動力がある、の意味)」「ムードメーカー」「愛されキャラ」と評されています。

 

 「新居浜に帰ってきて良かったことは何より、慣れ親しんだ土地で知り合いが多いところ」。高橋さんは3兄妹の長男。「進学のときも就職のときも、両親は何も言わなかったけれど、本心では帰ってきてほしかったのでは。将来のことも考えて帰郷を決めた」と打ち明けます。コロナ禍で、家族を思い合う気持ちはより強くなったと実感しています。

 

 また、新居浜市は四国三大祭りで有名な「新居浜太鼓祭り」がありますが、大学時代は毎年、祭り時期に帰省し、地域の人と一緒に太鼓台のかき手になるなど、故郷を大切に思う気持ちがありました。「いまは祭りを見る側に回りましたが、祭りになると人が集まるので、久しぶりの知り合いにも会えるのが何よりうれしい」。地元愛をにじませます。

 

 

 

市独自の奨学金返済制度も励みに

 

 「広島のような都会ではなくても、新居浜で暮らすのに不便は感じません」。都会での1人暮らしは生活に追われる日々でしたが、実家暮らしで時間的にも余裕が生まれました。アフターファイブには愛犬の散歩や運動を楽しんでいます。サッカーが好きで小学生から大学時代までずっと続けてきました。今も職場の先輩に誘われて地元の社会人チームに入るなど、充実した日々を送っています。

 

 新居浜市で就業した若者を支援する市独自の奨学金返済支援事業補助金制度(※①)があることを親から聞き、申請して返済の一部に充てました。自治体のこうした後押しも大いに励みになったと言います。現場監督の仕事を覚えるには3~5年はかかると言われますが、県外出張では1カ月以上にわたって仲間と寝食を共にする長丁場の現場も経験。「人をつなぐことが好き。工事が完成したときの達成感は大きい」と手応えを感じています。「一人前の監督になるには場数を踏むことが大事。たくさん経験を積み、難易度の高い資格にも挑戦していきたい。趣味も増やして地元暮らしを満喫したいですね」

 

 

 

〈奨学金返済支援事業補助金〉(※①)  

 

 奨学金貸与を受けて進学した人で、卒業後に新居浜市に本社がある中小企業へ2015年3月以降に就職した30歳以下の人を対象に、年間最大20万円を3年間補助(補助率3分の2)します。

 

詳しくはこちら

 

 

 

CHOICE② 新居萌美さん(35歳)

 

海辺の古民家を「本屋」に。京都と新居浜2拠点で暮らす

 

温もりを感じる店内に改装した新居さん

温もりを感じる店内に改装した新居さん

温もりを感じる店内に改装した新居さん

温もりを感じる店内に改装した新居さん

 小さい頃から本好きで「本屋」を開く夢を温めてきた新居萌美さん(35)=新居浜市出身。2021年2月、同市荷内町にある海辺の古民家を改装し「読×舎(よみかけしゃ)」をオープンしました。京都の大学を卒業後、帰郷して就職しましたが、自身の病気や祖母の介護を経て、「人生、何かに挑戦できる時間は限られている」と一念発起。介護の傍ら、もうひとつの夢だった着付けの仕事を習得するため、京都と新居浜とを往来する暮らしを選択します。数年前には大学時代の同級生と結婚。デュアルライフ(2拠点生活)を続けています。

 

 

 

病気や介護を経験し、「今しかない」と一念発起

 

 築50年を超える木造2階建ての古民家。柔らかな雰囲気の店内には小説やエッセーをはじめ、絵本や児童文学書、郷土ゆかりの本、古い雑誌など、新居さんの感性で選んだ本が随所に並んでいます。「心ゆくまで本と戯れてほしい」と、1杯ずつドリップするコーヒーや抹茶も提供。2階にはレトロなソファや椅子が置かれ、眼前に広がる海を眺めながら、本を手にゆったりした時間を過ごせます。

 

 本好きは読書家だった亡き母の影響という新居さん。「本屋」は長年温めてきた夢でした。「地元には個人経営の書店が少ない。もっと本との出合いを楽しんでもらえる場所があれば」と、20代半ばから、県内の古書店の店主らが開催するイベント「松山ブックマルシェ」にもスタッフとして参加。仕入れの仕方などノウハウを学んできました。

 

 新居さんは大学を卒業後、新居浜市内でアパレル関係の仕事に就いていましたが、病を得て入院を経験。復帰後、今度は祖母が認知症になり、介護生活が始まりました。このとき強く感じたのは「人生、何が起きるか分からない。やりたい夢をかなえるなら今しかない」ということ。手に職を付けるため、もうひとつの夢だった着付師の修業を、着物の本場京都で積もうと決心します。30歳の時でした。父と交代で介護を続けながら、京都と新居浜、鉄路で片道3時間の道のりを、月の半分ずつ行き来する生活を選びました。

 

 

 

空き家を一からリノベーション。創業支援補助金も活用

 

海を眺めながらのんびり過ごせる2階

海を眺めながらのんびり過ごせる2階

海を眺めながらのんびり過ごせる2階

海を眺めながらのんびり過ごせる2階

 「読×舎」は知人の紹介で仮り受け、2年がかりでリノベーションしました。雨漏りするほど傷んでいましたが、床を張り替え、しっくいで壁を塗るなど、業者に加え知人・友人の手も借りて改装。市の転入者創業支援補助金(※②)が適用されました。「こうした制度は、知り合いがお店に訪ねて来て、教えてくれました」

 

 店名の由来は「本を読んでいる途中が好きだから。読むことと『何か』を掛け合わせて生まれるものという意味も込めました」。地元のイラストレーターや作家ともコラボし、随所に飾られた作品が彩りを添えています。念願の着付けの仕事も始動しました。コロナの合間を縫って7月には浴衣で集う催しも開くなど、徐々に活動の幅を広げています。

 

 京都の暮らしの中で大学時代の同級生との結婚生活もスタートさせました。「彼は良き理解者。本屋の夢もサポートしてくれています」。コロナ禍で、お互いの往来にも細心の注意を払う日々が続きますが、「いずれ子どもが生まれたら、自然豊かで人のつながりが温かい新居浜で育てたい」と未来を思い描いています。

 

 

 

〈創業支援補助金〉(※②)

 

 転入者創業支援事業は上限100万円、経費の2分の1を補助します。事業所の家賃や購入費、改装にかかる経費のほか、転居費用、機械器具、ホームページの製作にかかる費用、広告宣伝費などに適用できます。

 

詳しくはこちら

 

 

 

【市担当者に聞く〝お仕事事情〟】

 

 新居浜市の魅力や支援制度について、移住・定住プロモーションを手掛ける市地方創生推進課副課長の吉岡奈津子さん、主事の小野和真さん・宇都宮秋穂さんに語っていただきました。

 

移住相談を受け付けている吉岡さん、小野さん、宇都宮さん(右から)

移住相談を受け付けている吉岡さん、小野さん、宇都宮さん(右から)

移住相談を受け付けている吉岡さん、小野さん、宇都宮さん(右から)

移住相談を受け付けている吉岡さん、小野さん、宇都宮さん(右から)

 

 

ほどよく都会、ほどよく田舎

 

 新居浜市は四国のほぼ中央に位置し、県庁所在地の松山市まで約1時間。人口11万6886人(2021年10月1日現在)のまちです。市街地から海も山も近く、いろいろな余暇の楽しみ方ができます。新居浜を一言で表すと「ほどよく都会、ほどよく田舎」です。気候は温暖で天候に左右されず、過ごしやすい気候です。車で15分圏内にショッピングセンターや病院など必要な施設がそろいます。市内には総合病院が四つあるほか、診療所も多く、医療環境も充実していますから、いざというとき心強いですね。21年10月からは18歳までの子どもの医療費が無料となり、子育ての安心感につながると期待しています。

 

新居浜市の夕景

新居浜市の夕景

新居浜市の夕景

新居浜市の夕景

 

 

低い失業率、高い有効求人倍率

 

 新居浜市の産業は、別子銅山発祥の鉱山業に始まり、機械工業や建設、化学工業へと広がりました。住友グループを核にさまざまな業態が生まれ発展した「ものづくりのまち」です。第2次産業の割合が高いのが特徴で、市が2014年度に行った地域経済構造分析調査では、製造業の生産額は53・9%(全国平均30・8%)を占めます。また、従業員1人当たりの製造品出荷額は四国3位、粗付加価値額は同1位(いずれも18年工業統計調査を元に市分析)。若年層の完全失業率は5・28%と四国で2番目の低さ(17年労働力調査を基に市分析)です。有効求人倍率(2021年7月現在)は1・57倍(全国平均1・15倍)と県内トップで、働く機会や場所が多いことを裏付けています。

 

I・Uターン者確保へ、新居浜・西条・四国中央の3市が開催した合同企業説明会 「就活地方祭」=2019年4月、松山市内

I・Uターン者確保へ、新居浜・西条・四国中央の3市が開催した合同企業説明会 「就活地方祭」=2019年4月、松山市内

I・Uターン者確保へ、新居浜・西条・四国中央の3市が開催した合同企業説明会 「就活地方祭」=2019年4月、松山市内

I・Uターン者確保へ、新居浜・西条・四国中央の3市が開催した合同企業説明会 「就活地方祭」=2019年4月、松山市内

 

 

「新しい人ウェルカム」な土地柄

 

 新居浜市民の構成をざっと分類すると、ずっと住んでいる人▽Iターン者▽Uターン者が、それぞれ3分の1ずつ。長年にわたって「外からの人」を多く受け入れながら発展してきた歴史が、自由で風通しの良いまちを作ってきました。新しい人をおおらかに受け入れる雰囲気があり、のびのびと暮らしていただけると思います。

 

 

 

お試し移住や奨学金返済支援も~充実の制度

 

 移住者の受け入れを加速するために、市は移住支援制度や創業支援制度を用意しています。若手人材の確保へ、奨学金の返済制度も設けています。

 

 

 

〈お試し移住制度〉  

 

 市外から新居浜市への移住を検討している人が1週間~1カ月の間、新居浜暮らしを体験できるよう、家具・家電完備の2LDKの住宅を用意しています。本格的な移住に向けて生活の基盤を整えたい人には最長3年間入居可能な移住支援住宅もあります。

 

 

 

〈移住定住応援事業補助金〉  

 

 県外からの移住者が新居浜市内に住宅を新築・購入または改装する場合の経費の一部を負担します。

 

 また、魅力ある市内の企業を広く発信しようと、有望企業の働き方や、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の取り組みを市が認定・登録する制度も創設しました。どんな企業があるのか知りたい方のために情報を発信しています。ぜひご覧ください。

 

詳しくはこちら

 

 

 

新居浜市移住定住ポータルサイト「新居浜ライフ」はこちらから

 

 

お問い合わせは 新居浜市地方創生推進課 電話0897-65-1238

 

 

 

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