
2022年 愛媛の中学受験総まとめ 東進スクールがズバリ解説
2022年の県内の主な中学、中等教育学校入試が終了した。各校がホームページなどで公表した志願者数を見ると、松山地区では、県内トップの進学校である愛光(松山会場)は前年並み。愛媛大教育学部附属が増加した一方、県立松山西、済美平成、新田青雲で減少した。志願者動向の背景や来年の入試の見通し、さらには6年後の大学受験を見据えて中学で心掛けることなどについて、学習塾「東進スクール」で中学受験部門統括責任者を務める上田孝博さんに解説してもらった。(坂本敦志)
■中学受験熱が低かった年
東進スクールの上田孝博さん
愛光と附属を除き志願者数が減っています。そもそもの児童数の減少が理由なのでしょうか。 児童数を調べても、これほど影響が出るまでは減ってはいないと思います。中学受験の勉強を始めるのは新4年生が主流ですが、今の6年生はその頃から、入塾する児童が少ないと感じていました。何が原因かの答えは出ないのですが、ちょっと受験熱が低めだったのかなと感じています。
愛光を受験した県内の子どもの数は減っていないとみられています。もし児童数の減少が原因だと、愛光も減るはずです。県西が減ったのは今年だけなのか。来年はどうかは分かりません。志願者を増やすためには、各校が頑張って実績を出す、魅力を出す、そして子どもたちに行きたいと思ってもらうしかありません。
出題傾向や合格ラインといった点で変化はありましたか。 難易度が最も高い愛光は、大きく変わった点はなかったですね。国語が少し、社会はかなり易しくなりました。平均点が10点ぐらい上がっています。
ほかの学校はどうでしたか。 済美平成は受験者が減りましたが、入学者数を担保するために、合格者を例年並みにたくさん出した感じです。新田青雲は受験者はほぼ受かっています。専願の受験生はかなり少なかったんじゃないでしょうか。
附属の問題は受験当日、張り出しした時しかわれわれも見られないのですが、例年並みと聞いています。去年から新型コロナウイルスの影響で入試制度が若干変わりました。以前は国語や算数で分かれていましたが、去年と今年は時間短縮のため合体しています。量が減ると難解な問題は出しにくくなりますから、わりとオーソドックスですね。附属は国公立なので、きちんと基本ができている子どもは点を取りやすいです。得点を競争するというよりは失点を防ぐ入試ですね。県西の適性検査も基礎学力が大切です。適性検査は多様な分野から出題され、できる、できないで差が付きます。
■私立中のポイントは算数
県内最難関の愛光は、前年並みの志願者を確保
入試のポイントになるような科目はありますか・・・