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いよゼロ2022

防災コミットメント―私の約束が命を守る―

2022年7月6日(水)(愛媛新聞ONLINE)

 

 いよゼロプロジェクトは、自然災害からの被害を限りなく「ゼロ」に近づけようという愛媛新聞社の防災・減災キャンペーンです。近い将来発生が予想されている南海トラフ地震や集中豪雨に備え、いざというときの対応力を高めるため、継続的に情報発信を続けていきます。

 

 

 

コミットメント=「自分への約束」を定めることが、「いよゼロ」への一番の近道。

 

 西日本豪雨災害から4年を迎えました。これから台風シーズンが終わるまで出水期は続きます。

 

想像してください。外は土砂降りの大雨です。テレビやラジオからは避難情報が流れてきます。警戒レベルが1、2、3…徐々に上がってきています。スマートフォンの緊急速報メールが鳴り出しました。

 

 

 

あなたは、いつ、逃げますか?

 

 行政からどんなに災害情報が出されていても、避難の大事さを頭で理解していても、実際の行動に結びつかなければ自分や家族の命は守れません。

 

 大事なのは、動き出すタイミングを見失わないこと。「いつ、どのタイミングでどこに避難するか」という避難のスイッチやルールを自分の中にあらかじめつくっておけば、いざというときに慌てず、安全に行動できます。

 

 2022年度いよゼロプロジェクトのテーマは「コミットメント」。自分への約束事をつくるところまでを一つの目標に、一緒に考えていきましょう。

 

 

 

 

納得いく避難基準つくって

 

 愛媛県は2021年度、住民の災害時の避難行動について大規模な調査を実施しました。分析した愛媛大防災情報研究センターは「警戒レベルがいくつになったら避難を始める」など、あらかじめ「避難基準へのコミットメント=約束」を決めておくことが、実際の避難行動につながることが分かったとし、具体的なルールをつくって、家族や地域などで共有してほしいと呼び掛けています。

 

愛媛大学防災情報研究センター 羽鳥 剛史准教授

愛媛大学防災情報研究センター 羽鳥 剛史准教授

愛媛大学防災情報研究センター 羽鳥 剛史准教授

愛媛大学防災情報研究センター 羽鳥 剛史准教授

 

 

逃げるつもりで逃げてと言われ でも逃げない

 

 同センターによると、平常時には87.8%が避難しようと思っていて、2021年8月の大雨では、避難情報が発令された地域の住民の95.9%が自治体情報を受け取っていました。しかし、実際に避難したのは10.8%にとどまりました。同大社会共創学部の羽鳥剛史准教授=社会心理学=は「情報が行動に結びついておらず、日頃の意図と実際の行動の間にミッシングリンク(欠けている要素)がある」と考察。情報があり過ぎるとかえって無関心に陥る人間心理が影響しているとして、情報の受け手への働きかけ方を見直すよう促しています。

 

 

 

【調査方法】県の委託で愛媛大学防災情報研究センターが作成したアンケートを2段階で郵送配布・回収した。洪水や土砂災害が想定される県内市町から無作為抽出した1万1133世帯に2021年7月に質問調査。回答があったうち、同年8月に大雨

 

による避難情報が発令された4市町の369世帯に9月に追跡調査。回答率は初回が26・2%、2回目が87・3%。

 

 

 

 行動に結びつく要因を探ってみると、平常時から「いつ避難を開始するか」を決めたり、考えたりしている世帯ほど大雨時に実際に避難行動を取った傾向も明らかになりました。「例えば警戒情報のレベル3『高齢者等避難』やレベル4『避難指示』が出たら、指定避難所に必ず避難を始めるなど、具体的・客観的な基準を平常時に決めておくことが大事」と羽鳥准教授。さらに、自分一人だと約束破りをしがちですが、家族や地域などで話し合ってルールを共有すると、基準・約束を守りやすくなると提言している。

 

 地震など他の災害でも構造は同じだという羽鳥准教授は「人間の心理は、避難しないでいい理由を無限につくり出す。いよいよになって周りが逃げたから逃げるのでは後悔する事態になりかねない。科学的な基準に基づき、かつ納得した約束事を自ら決めておくこと。逡巡の連鎖を断ち切る覚悟、決断こそがコミットメントだ」と強調しました。教科書的に「避難して」と繰り返すより、日常生活の中で、例えばキャンプ中に避難訓練を実践してみるなど、楽しみながら自ら進んでコミットメントする契機を探して、被害が小さくなるようにしていくことが大切としています。

 

 

 

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