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2019
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読書感想文

2019年8月18日(日)(愛媛新聞)

 俳句と短歌について、本紙の若者向け投句欄「青嵐俳談」に寄せられた選者の神野紗希さんの一言が印象に残る。「私室のダイニングテーブルに向き合って座り、正面から語りかけるのが短歌なら、俳句はバス停のベンチに並んで座り、黙って同じ夕焼けを眺めるようなもの」▲

 事実を写し取る俳句に対して、短歌は「どう思うか」が必要だと、全国紙でコラムを担当していた竹内政明さんが著書で述べていた。落語の「枕」では、短歌の簡単な作り方として、俳句にこの言葉を付ける。「古池や蛙飛びこむ水の音、それにつけても金の欲しさよ」▲

 目の前の題材に対し、感想や考えを持つというのは案外骨が折れるものだ。夏休み時期、友人から「子どもの読書感想文に苦労している」とよく聞く。「『おもしろかった』しか言わんのよ」▲

 読書感想文の書き方を指南するマニュアルが、書籍やインターネットにあふれている。その通りに書ければ苦労はないが「どう思うか」を広げるのは簡単ではない▲

 竹内さんは災害の被災者など、ニュースの登場人物に自身や家族を置き換えて考えることを積み重ねてきたそうだ。できる限りわが身に引き寄せることで、より深く共感したり違いを知ったりできる▲

 鑑賞に洞察力が必要な俳句や、心情に寄り添う短歌も表現の幅を広げる有効な手段だろう。読書感想文もいつか良い思い出に。かつて苦労した一人としてエールを送りたい。

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