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地軸

ゲルニカ 

2017年4月26日(水)(愛媛新聞)

 残念ながら実物は見たことがない。ピカソの代表作「ゲルニカ」。ただ、徳島県鳴門市の大塚国際美術館に陶板の複製がある。高さ3.5㍍、幅7.8㍍。原寸大の迫力に圧倒される▲

 80年前の今日、スペイン内戦でフランコ将軍の反乱軍を支援するドイツ空軍が、バスク地方の町ゲルニカを無差別爆撃した。焼夷(しょうい)弾で古都の町並みは壊滅し、7割の建物が炎上。犠牲者は1600人超ともいわれる▲

 当時パリにいたピカソはゲルニカへの爆撃を聞き、この大作を一気に描き上げた。死んだ子どもを抱く女性や燃える雄牛、折れた剣を握って横たわる兵士、悲惨な光景を照らすように光る電球。モノクロの絵に戦争への深い怒りが込められている▲

 第1次世界大戦に敗れ、空軍の保有を禁止されたドイツは1935年に再軍備を宣言した。スペイン内戦はドイツ空軍にとって、新たに開発した軍用機や爆弾などの効果、運用方法を試す「絶好の実験場だった」と駿河台大学の荒井信一名誉教授は分析する(「空爆の歴史」岩波新書)。実験台にされた住民はたまらない▲

 北朝鮮の不穏な動きが気になる。弾道ミサイル発射の可能性があり、日本政府は「頑丈な建物や地下街に避難」などと、万が一の対策を呼び掛ける。まるで戦時中だ▲

 ゲルニカのような悲劇は二度とあってはならない。金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長には強く自制を求めたい。人間はそこまで愚かではないと信じたい。

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