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モジリアニの眼

2021年1月23日(土)(愛媛新聞)

 モディリアーニの「おさげ髪の少女」の青く澄んだ瞳はこちらを見ているようだった。県美術館の「エコール・ド・パリの色と形」展のハイライト。画家は瞳を描かなかった作品が多いことでも知られる▲

 「しばしば/人物の/見開いた両眼に/澄んだ青をいっぱいに満たした/瞳を入れないで」。吉野弘さんの詩「モジリアニの眼」にある▲

 「眼に満たされた青い光波に/ゆらゆらと遊ばせ拡散させていたい/見えるものすべてを/私に、批評させず憎悪させず/ただ受容させるために」。批評や憎悪を回避することは難しい、殊にさまざまな情報が飛び交う会員制交流サイト(SNS)では▲

 SNSで虚偽や憎悪をあおるような情報を発信し続けたトランプ前米大統領。連邦議会議事堂襲撃を受け、暴動誘発の恐れなどを理由に複数のプラットフォームがトランプ氏のアカウントを停止、ツイッターは永久停止に。言論や表現の自由、知る権利の観点で論議を呼んでいる▲

 トランプ氏の投稿は政治を考える材料になり、公共性を帯びたことは否定できない。過去の投稿も閲覧できなくなり過剰な制限との指摘も。SNSは情報インフラと言え、巨大IT企業が制限の判断をすることに懸念もある。多様な言論の場をどう確保するか議論が必要▲

 モディリアーニの描かれなかった瞳には多様な見方を可能にさせる普遍性がある。あす35歳で生涯を閉じた画家の没後101年の命日。

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