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2020
66日()

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地軸

煙い季節

2020年6月5日(金)(愛媛新聞)

 きょうは、二十四節気の一つ「芒種(ぼうしゅ)」。穀類をまくころとされる。中予の平野部では、麦の収穫を終え、田植えの準備をする風景が見られる▲

 立ち寄った産直市場の切り花コーナーには、スモークツリーがあった。この時季に枝先が羽毛状となり、煙のように広がる。職場の受付にある生け花にも使われていたが、花の間のモクモクとした質感が、いいアクセントになっている▲

 和名では「ハグマノキ」と、手元の図鑑にある。ウシ科のヤクの尾(白熊(はぐま))で作る「払子(ほっす)」に似ていることが由来という。払子はもともとハエなどを追うのに用いていたが、のちに禅僧が煩悩や災いを払う法具となった。やはりフサフサしたさまから連想されたのだろう▲

 「伊賀山や芒種の雲の不啻」。正岡子規の弟子・岡本圭岳が、忍者の里として知られる三重県伊賀市での旅を詠んだ。伊賀の山々を覆う、ただならぬ様子の雲。人々を惑わす忍術が編み出された地にあって、ドロンと煙に巻き込まれ前後不覚に陥ってしまうような妖しさが漂う▲

 四国地方は例年より早く梅雨入りしたものの、まとまった雨はしばらくなさそう。それでも湿気を含んだ暑さがじりじりと肌に刺さり、うっとうしさが増してくる▲

 何となく「煙い」季節。今年はコロナ禍もあり、世の中を覆う煙はいっそう濃いように感じる。梅雨が明けるころには、払子をフサフサと振った後のように、視界が開けてくるといいのだが。

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