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社説

終戦75年 平和を貫き通すたゆまぬ努力を

2020年8月15日(土)(愛媛新聞)

 きょう、75回目の終戦の日を迎えた。戦争の犠牲になった多くの人々に思いをいたすとともに、不戦と平和への決意を揺るぎないものにしたい。75年前からきょうに至るまで、戦争をしない国であり続けた戦後日本の歩みを振り返り、平和を貫くたゆまない努力を続けていかねばならない。

 今、懸念されるのは「敵基地攻撃能力」保有を巡る動きだ。自民党は新たなミサイル防衛の在り方として抑止力向上を求める提言をまとめた。敵基地攻撃能力との表現を避けつつ「相手領域内で弾道ミサイルなどを阻止する能力」の必要性を指摘。安倍晋三首相は「提言を受け止めて新しい方向性を打ち出し、速やかに実行していく考えだ」と前のめりで、政府は国家安全保障会議(NSC)で9月にも方向性を示す。

 歴代政権は、敵基地攻撃能力の保有は憲法上許容されるとしながら、保有しない方針を堅持してきた。日本は守りの「盾」に徹し、攻撃の「矛」を米国が担う役割分担が変容することになり、日本の防衛政策の根幹である「専守防衛」を逸脱する恐れがある。技術的なハードルも高く、国際法が認めていない先制攻撃と見なされる可能性もはらむ。防衛政策の基本を転換しかねず、慎重な議論が必要だ。

 安倍首相は来年9月末までの自民党総裁任期中に自衛隊を9条に明記する改憲への意欲を見せ続ける。安倍政権は、歴代政権が禁じてきた集団的自衛権の行使容認を閣議決定し、安全保障関連法で他国軍への後方支援を拡大、国連平和維持活動(PKO)での「駆け付け警護」を可能にするなど自衛隊の任務を広げてきた。一連の流れに強い警戒感を持たざるを得ない。

 最近の世論調査では、自衛隊の在り方について、「専守防衛を厳守」が76%、「憲法9条を改正し軍として明記」は17%だった。憲法が定める平和主義が根付いている証左だろう。国民の声に耳を傾けるべきだ。

 新型コロナウイルス感染拡大や気候変動など国際的な協調が必要な課題は山積する。一方で露骨な自国第一主義や国際的な緊張が高まっている。困難な状況にあるからこそ日本はぶれることなく平和を希求する姿勢を示し続け、国際社会への貢献を目指したい。米国やロシア、中国など軍拡の動きが広がる中、唯一の戦争被爆国として核兵器禁止条約に参加し、核廃絶に向け先頭で役割を果たすべきだ。

 アジア諸国に多大な犠牲を強いた過去や、現在の平和が多くの犠牲や苦しみの上に築かれたことを忘却してはならない。戦争を体験した世代は減り、戦争の記憶を伝えていくことはますます難しくなっている。一人一人が自分のこととして平和について考え、それを守るためにどうすべきなのか、社会はどうあるべきかを不断に見つめ直すことが大切だ。尊い平和を次代へつなげていく。それが今の時代を生きる私たちの責務である。

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