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2020
329日()

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社説

景気後退確実に 警戒感強めて万全の経済対策を

2020年3月29日(日)(愛媛新聞)

 政府は3月の月例経済報告で国内景気の判断を3カ月ぶりに引き下げ「厳しい状況にある」との認識に転じた。2013年7月から使われてきた「回復」の文言が6年9カ月ぶりに消えており、景気悪化は否定できない事実であることを政府がようやく認めた格好だ。

 12年12月の第2次安倍政権発足以降続いてきた景気拡大期が終わり、景気後退期入りしているのは確実な情勢にある。新型コロナウイルス感染症の経済への影響が本格化するのはこれからで、東京五輪・パラリンピックの延期もあり、個人消費や観光業の落ち込みはしばらく続く見込みだ。政府は国内景気の厳しさを重く受け止めた上で、深刻な影響が出ないよう万全の対策を講じなければならない。

 月例経済報告では、新型コロナについて、2月は先行きリスクとして注意の必要性を指摘していた。3月は影響を受けて、景気は「足元で大幅に下押しされており、厳しい状況にある」とした。「厳しい状況」という表現は金融危機リーマン・ショック後の09年や11年の東日本大震災の際に使った例がある。厳しさは激化する恐れがあり、政府は迅速に対応できるよう警戒感を強めるべきだ。

 ただ新型コロナの感染拡大で急に景気が悪化したわけではない。その前から悪化していたとみられる。内閣府が毎月発表する景気動向指数では、指数の推移から機械的に決める基調判断が、1月まで6カ月連続で景気後退の可能性が高いことを示す「悪化」となっていた。

 にもかかわらず、政府は月例経済報告で「緩やかな回復」を維持し、認識のずれが続く形となっていた。月例経済報告は政府に裁量の余地があるといわれる。「回復」の文言を守り続けて景気後退を認めないとの思惑が透ける。安倍政権の経済政策に傷がつくのを恐れた判断という色合いが濃い。

 しかし、経済政策を支える要素の一つである雇用でも不安が表面化してきた。内閣府がハローワークの求人数を分析したところ、19年12月の前年同月比3.2%減から、20年2月は12.4%減、3月には16.1%減とマイナス幅が急拡大していた。景気悪化の原因を全て新型コロナに押し付けてはならない。経済政策自体の問題点が露呈しているのであり、政策の十分な検証が不可欠だ。

 当面、新型コロナ感染拡大への対応に力を注ぐことになる。来月取りまとめる経済対策は、リーマン・ショック後に実施した超大型経済対策を上回る財政支出で「V字回復」を狙うとする。雇用を守ることが最重要になる。生活困窮者や経営が悪化している企業への手当てに万全を期すべきだ。

 検討されている家計支援のための現金給付については対象や金額を精査する必要がある。ばらまきで終わってはいけない。効果を見極めながら的確な施策を打ち出さねばならない。

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