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社説

施政方針演説 政策論議を深める環境を整えよ

2020年1月21日(火)(愛媛新聞)

 通常国会が召集され、安倍晋三首相は施政方針演説で長期政権の実績や推し進める政策をアピールした。一方、「桜を見る会」や、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)に絡む汚職事件など、政治不信を招いている懸案には言及しなかった。

 不都合な問題は素通りし、説明責任を果たそうとしない姿勢は国会の甚だしい軽視で、国民から信頼も得られない。国会が取り組むべき課題は内外に山積しており、チェック機能を取り戻すことが急務だ。安倍政権は疑問に正面から向き合い、与野党が政策論議を深められる環境を整えなければならない。

 桜を見る会を巡っては、次から次へと問題が明らかになっている。2013~17年の招待者名簿は行政文書の管理簿に記載がなく、廃棄記録も残っていなかった。菅義偉官房長官は違法な対応だったと認めている。内閣府が各省庁の推薦者名簿を国会に提出した際、部局名を消す加工をした事実も判明した。名簿の取り扱いは「適切」と強弁してきた政府の説明と異なり、公文書のずさんな管理が横行していた実態に驚きあきれる。

 預託商法が問題視されたジャパンライフ元会長の招待、首相後援会主催の夕食会などに関する疑惑も残っている。共同通信が今月実施した世論調査では、首相が「十分説明していると思わない」との回答が86%に上った。首相は重く受け止め、一連の問題を再調査すべきだ。

 昨年秋に「政治とカネ」を巡る疑惑で相次ぎ辞任した菅原一秀前経済産業相、河井克行前法相も説明がまったく足りない。河井前法相と妻の案里参院議員は、昨年の参院選での公選法違反容疑で広島地検に家宅捜索された。夫妻は謝罪はしたが、捜査中を理由に事実関係を明かしていない。首相の任命責任として、国民にきちんと説明するよう指導しなければならない。

 施政方針演説では、元徴用工訴訟問題など懸案を抱える韓国への言及を増やし、関係改善への行動を促した。首脳同士が粘り強く対話を続け、解決の糸口を探らなければならない。国会審議を経ずに決定した海上自衛隊の中東派遣については「日本関係船舶の安全を確保する」と訴えた。派遣の根拠、非常時の対応ともあいまいなまま、情勢が緊迫した地域に派遣する是非を国会で問い直すべきだ。

 首相が意気込むのは社会保障制度改革だ。働き方の変化に合わせた年金、医療、介護の改革を進めるとした。持続可能な制度にするためには現役世代の負担軽減が欠かせない。一方、高齢者も所得や就労意欲、健康状態などは人によって異なる。世代間の負担バランスを丁寧に検討する必要がある。

 首相は宿願とする改憲に関しては、各党に具体案を示すよう求め「国会議員の責任」を果たすよう呼び掛けた。ならば自身がまず説明責任を果たし、さまざまな疑惑や懸念に真摯(しんし)に答えなければならない。

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