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社説

サムスントップ逮捕 「政経癒着」一掃し変革の契機に

2017年2月20日(月)(愛媛新聞)

 韓国の朴槿恵(パククネ)大統領の疑惑を巡り、同国最大財閥のトップが贈賄などの疑いで逮捕された。朴氏の親友の崔順実(チェスンシル)被告の国政介入事件に端を発した捜査は大きなヤマ場を迎えた。

 逮捕されたサムスン電子副会長の李在鎔(イジェヨン)容疑者は、サムスングループ系列企業間の合併について、朴氏から便宜を図ってもらうことを期待して、崔被告に賄賂を贈った疑いなどがある。特別検察官は朴氏が崔被告と経済的に一体の関係にあるとみており、朴氏を収賄罪で追及する構えだ。大統領の罷免を審理する憲法裁判所の判断に影響を与える可能性は高い。検察は冷静に真相解明を進め、情報公開の徹底にも努めてもらいたい。

 政権が特別扱いする財閥への国民の不信は根強い。先月、特別検察官が逮捕状を請求し、裁判所が棄却すると、大規模な抗議デモが起きた。世論の反発を背に検察が逮捕状を再請求すると、裁判所も一転して認めた。これまでは財閥トップが横領や背任などの罪を犯しても在宅起訴にとどまり、逮捕を免れてきた。韓国の「常識」を覆した今回の事件を、政治と財閥の「政経癒着」を断ち切る契機にしなければなるまい。

 韓国を代表する財閥は、朴氏の父、故朴正熙(パクチョンヒ)氏が大統領だった1970年前後に頭角を現した。歴代政権は規制緩和などの恩恵を与える見返りに、政治資金を要求。一方の財閥側も政権に賄賂攻勢をかけ、見返りに国有地の払い下げや税の優遇措置を受けているとされる。「なれ合い体質」によって一部の特権階級だけが潤う著しい格差を生み、国民の不満を高める要因になっていると言えよう。

 民主化を宣言してから今年で30年になるが「経済の民主化」の実現は遠い。韓国経済は今も財閥企業の寡占状態にある。国内総生産は約2割をサムスングループが占め、10の財閥だけで約7割に上る。10財閥に働く人は労働人口の5%に満たない。「狭き門」の大企業に入るために若者が有名大学を目指す「超学歴社会」を助長、激しい受験競争が社会問題化している。

 朴槿恵氏は4年前の大統領就任式で、中小企業の育成を通じて財閥改革に取り組む姿勢を強調した。だが本気で取り組んだとは到底思えない。韓国経済の弱さは中小企業の技術力の低さにあると指摘される。政権が大企業に支援を集中してきた結果であろう。構造的な問題を克服するには大企業偏重を改め、全体の産業力の底上げに資する政策に本腰を入れる必要がある。

 国政介入事件をきっかけに、国民の間では社会の変革を求める機運が高まっている。政経癒着をどのように改めて、格差の是正や福祉など社会保障の充実につなげるかが政治に問われていると認識するべきだ。次期大統領選に向け、有力候補らは財閥改革の必要性を訴えている。国際社会に胸を張れる健全な政治と経済の関係構築を急がねばならない。

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