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社説

福島原発廃炉工程表 難題を解決し着実に廃炉進めよ

2019年12月5日(木)(愛媛新聞)

 政府は、東京電力福島第1原発の廃炉に向けた工程表「中長期ロードマップ」の改定案をまとめた。最難関とされる溶融核燃料(デブリ)の取り出しを、2021年中に2号機から始めると明記している。

 デブリの取り出しは、少量から段階的に拡大していくことが検討されている。だが、デブリには2月の調査で触れることにようやく成功した段階であり、形状や堆積の範囲など未解明の部分も多い。政府と東電は、今後も予想される難題を一つずつ解決しながら、着実に廃炉を進めていかねばならない。

 炉心溶融を起こした1~3号機の中で、2号機は水素爆発を免れ、周辺の放射線量も比較的低いため計画が先行している。取り出し作業では、格納容器側面の貫通部からロボットアームを挿入し、こすり取ったり吸い込んだりする採取から始め、量が増えればマジックハンドのような物でつかみ取ることを想定している。

 だが、237トンと推計されるデブリを全て取り出すまでの期間は見通せていない。デブリは格納容器内の金属やコンクリートが混ざっているとみられ、硬い塊を削ったり運んだりする機器のほか、遠隔操作する人の技術も求められる。取り出した後のデブリの水素爆発を防ぐための対策も欠かせない。東電は安全性を最優先に、綿密な計画を立て作業に臨まねばならない。

 2号機で得られた経験は1、3号機での活用が期待されるものの、炉心溶融の状況や建物の損傷はそれぞれ異なるため「三基三様」の取り出し方法を検討する必要がある。1、3号機のデブリの調査は途上にあるが、データの分析や技術開発を遅滞なく進めることが肝要だ。

 改定案では、31年までに1~6号機全てで使用済み核燃料計4741体を搬出する案も新たに盛り込んだ。ただ、3号機は当初予定から4年遅れで搬出が始まるなど、思うように進んでいないのが現状だ。構内の共用プールに移された後の最終処分先も決まっていない。政府は通常の原発から出る高レベル放射性廃棄物の処分を含め、廃棄物の問題から目をそらさず道筋をつける責務がある。

 懸念されるのは、喫緊の課題である汚染水に関する新たな具体策が示されなかったことだ。政府は汚染水の発生量を20年中に1日当たり150トン程度まで減らすとの目標を維持したが、その先には踏み込まなかった。

 政府は、処理水を保管するタンクの総容量が22年夏ごろに限界を迎えるとし、海洋放出を有力案に位置づけるが、風評被害を恐れる地元の漁業関係者らの不安は根強い。解決は急がねばならないが、こうした声を置き去りにして判断を急ぐことは認められない。海洋放出ありきではなく、放射能が弱まるまで長期保管するなど、さまざまな選択肢を含めた検討と丁寧な説明を重ね、方向性を固めていく手続きが求められる。

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