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社説

松山選手メジャー初V 精神面が充実歴史的快挙に結実

2021年4月13日(火)(愛媛新聞)

 世界中のゴルファーが憧れる頂点に駆け上り、日本のスポーツ史に新たなページを開いた。

 

 松山英樹選手(松山市出身)がマスターズ・トーナメントで優勝し、日本人男子初のメジャー制覇を成し遂げた。

 

 1936年に日本人選手がマスターズに挑戦して以来、不可能にも思われていた分厚い壁をとうとう突き破った。たゆまぬ努力で結実した快挙を心からたたえるとともに、素晴らしいプレーを人々に見せてくれたことに感謝したい。

 

 10度目の出場となった今回のマスターズ大会。3日目に大会自己最少の65をマークし、2位に4打差を付け、単独首位に躍り出た。最終日も積極的に攻めて、ピンチを招くこともあったが、決して冷静さを失うことはなかった。

 

 試合後に「最後まで緊張しっぱなしで終わった」と語っていたが、ショットとパットがかみ合い、本人らしいうまさが随所に表れた4日間だった。豊富な経験も生かされたが、何よりメンタルの安定さが光っていたように感じる。

 

 戦いの舞台を米ツアーに移した後も結果を残してきたが、2017年を最後に、優勝から遠ざかっていたのは気がかりだった。パットやティーショットに苦しみ、我慢を強いられる試合展開が増えた。周りの期待は大きく、本人もそれに応えたいという気持ちが、硬さにつながっていたのかもしれない。

 

 今年はプロになって初めてコーチを付けたという。1人で抱えていた重圧を和らげ、客観的なアドバイスが得られるようになったことは前向きな変化だったといえる。

 

 振り返れば、松山選手のメジャー挑戦はマスターズから始まった。ちょうど10年前の11年、日本のアマチュア選手として初出場し、27位でベストアマとなった。

 

 当時は東日本大震災の直後で東北福祉大の学生だった。被災地からの出場者として注目された中での大健闘。好成績は自信につながり、一流選手の技術にも刺激を受けた。その後のゴルフ人生にとって貴重な財産となったに違いない。「原点」でつかんだ栄冠に本人の感慨もひとしおだろう。

 

 新型コロナウイルスの影響で今大会は、観客の入場が制限される中で開催された。通常とは異なる環境下で、最大限のパフォーマンスを引き出すことが求められた。松山選手の奮闘はゴルフに限らず、多くのアスリートにとって励みになるものだ。孤独や不安といった困難の中でも、大きな夢や目標を持ち続ける大切さを身をもって示してくれた。

 

 この日、偉業達成を目の当たりにした子どもたちの中には、同じ舞台を目指そうとする人もきっと出てくるだろう。松山選手もまだ29歳。さらなる成長が期待される。これからも勝利を重ね、後進の大きな目標であり続けてほしい。

 

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