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社説

携帯電話料金 引き下げの実現は健全な競争で

2020年10月22日(木)(愛媛新聞)

 菅義偉首相が重要政策に掲げる携帯電話料金の引き下げが実現に向けて動き始めた。政府は携帯大手3社に引き下げを強く要請。各社は応じる姿勢で具体的な検討に入っている。

 携帯電話は生活に欠かせず、料金引き下げは消費者にとって朗報となる。一方、政府による企業への過度の圧力は、自由な経済活動を萎縮させる恐れがあり見過ごせない。政府の役割はあくまで健全な競争が行われる環境を整えることだ。料金の引き下げは、その結果として実現が図られるべきである。

 携帯電話事業は大手3社の寡占状態で、料金の高止まりや料金プランの複雑さが指摘されている。菅氏は官房長官時代から「4割程度下げる余地がある」などと発言し、料金引き下げが持論だ。武田良太総務相も「1割程度では改革にならない」と下げ幅に言及。各社トップと面会して対応を促した。

 大手3社のうち、NTTドコモに関しては、親会社のNTTが完全子会社化に向けて株式公開買い付け(TOB)の実施を決めた。親会社主導で財務基盤を整え、料金引き下げに対応する構えだ。ソフトバンクは大容量の料金プランを見直し、新たな割安プランの導入を検討している。KDDI(au)も11月までには新プランを打ち出す考えを示している。

 日本のスマートフォンの料金は国際的に割高な水準にあるとされる。総務省が世界6都市を対象に行った調査では、20ギガバイトの大容量プランでは東京は8175円と最も高額で、ロンドンやパリの2倍以上だった。料金が1割安くなると国民1人当たり年間約5300円、家計全体では6700億円以上の負担軽減になるとの専門家の試算もある。新型コロナウイルス禍への対応で求められるテレワーク、オンライン授業などの普及の後押しにもなるだろう。

 大手3社は公共の電波を使いながら高い利益率を維持し、利用者への還元は不十分だ。複雑で分かりにくいままの料金プランには利用者の不満が根強い。今の風当たりの強さは業界自らが招いた側面もある。

 総務省は昨年、電気通信事業法を改正し、2年契約を中途解約する際の違約金の上限を引き下げるなどした。電話番号を変えずに携帯会社を乗り換える際の手数料を原則無料とする方針も決めたばかりだ。「第4の携帯」として参入した楽天は、第5世代(5G)移動通信システムで攻勢をかけている。政策などにより事業者間の競争が進みつつはあるが、値下げへの効果は限られているのが現状だ。

 携帯電話料金は自由化されており、政府は介入に慎重であるべきだ。まずはこれまでの政策や各社の取り組みを検証して、値下げを阻害する具体的な要因を分析し、改善を図るのが筋ではないか。各社も利用者本位の経営に転換できるか、本気度が厳しく問われていることを自覚しなければならない。

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