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社説

統計不正集中審議 官邸の圧力否定も疑念は消えず

2019年2月19日(火)(愛媛新聞)

 統計の公正さや透明性がゆがめられることは本当になかったのか。これでは焦点となる問題の解明には程遠い。

 厚生労働省の統計不正問題を巡って国会で集中審議が行われた。毎月勤労統計の調査結果に首相官邸の意向が働いたかどうかについて、首相は「何ら指示をしていない。われわれが統計をいじって政策をよく見せようとしたわけではない」と全面否定した。だが、具体的な裏付けもなく否定するだけでは不十分であり、むしろ疑念が深まっていると言わざるを得ない。

 厚労省は、当時の中江元哉首相秘書官が「問題意識」を伝えたことをきっかけに調査対象の入れ替え方法を変更している。中江氏は不当な圧力ではないと弁明するが、「何とかしなきゃいけないと思った」と証言する厚労省関係者もおり、重圧を感じていたと容易に想像できる。統計の信頼を回復するために、詳細な経緯の検証や関係者の聞き取りが不可欠だ。

 野党側が注目するのは、昨年の賃金上昇率が上振れした背景だ。従来は、調査対象である従業員30~499人の事業所を一度に総入れ替えしていた。しかし、賃金水準の下振れが出やすいため、2015年3月、中江氏が厚労省に「経済の実態を適切に表すため、改善の可能性を考えるべきではないか」と提案していた。

 厚労省は15年5月、有識者検討会を立ち上げ、18年の調査手法見直しを開始。一度は「現在の総入れ替え方式が適当」としたものの、1カ月後には、厚労省の事務局が一定期間ごとに少しずつ入れ替え、下振れが出にくい「ローテーション方式を検討したい」。実務の負担を懸念する意見があったにもかかわらず軌道修正した。検討会は結論を出さないまま立ち消えになっており、極めて不自然だ。

 集中審議では、今月公表された検討会議事録について、厚労省の藤沢勝博政策統括官が、今年1月末まで委員に内容を確認してもらっていなかったと、3年以上放置していたことを明らかにした。「当時の担当者に議事録の原則公開という認識が十分でなかった」との説明は、にわかには信じられない。「総入れ替えが適当」との内容が、政府に都合が悪いために隠そうとしたと疑われても仕方がない。

 この間の経緯を問われた首相は「当時の秘書官から報告を受けておらず、検討会での検討自体最近知った」と答えたが、人ごとのように聞こえる。自らの秘書官や官僚が、政権の看板政策のためにつじつま合わせをしようとしたとの指摘であり、真摯(しんし)に対応すべきだ。

 集中審議には、中江氏と面会した当時の姉崎猛統計情報部長らは出席していない。与党は関係者の参考人招致や資料提供に消極的なままだ。首相の「予算委から要求されたものには誠実に対応する」との言葉が本心なら、早期の真相解明へ向け、与党に働き掛ける必要がある。

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