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社説

海のプラスチックごみ 実効性ある削減策の導入を急げ

2018年6月23日(土)(愛媛新聞)

 海に流出するプラスチックごみが国際的な問題となる中、カナダで開かれた先進7カ国首脳会議(G7サミット)で、ごみ削減に向けた数値目標を盛り込んだ「海洋プラスチック憲章」がまとまった。しかし、日本は米国とともに署名しなかった。

 海からの恩恵を受けてきた海洋国家である日本の後ろ向きな姿勢は看過できない。既に欧州などでは使い捨てプラスチック製品の流通を禁じる動きが広まっており日本の遅れは顕著だ。国際社会からの信頼を取り戻すためにも、ごみ削減へ実効性のある取り組みを加速しなければならない。

 国連などの推計によると、プラスチックごみの廃棄量は年間3億㌧に上り、海への流出は少なくとも年間800万㌧とされている。汚染は水深1万㍍を超える場所にまで及ぶ。ウミガメや海鳥が、餌と間違ってのみ込むなどして窒息死する被害が報告されている。

 また、プラスチック製品が壊れて細かくなったものを中心とした、大きさ5㍉以下の微細なプラスチック「マイクロプラスチック」の汚染が懸念されている。環境中の有害化学物質を吸着するため、魚や鳥などの体内で蓄積される危険性がある。いずれも生態系への影響は深刻で対策は待ったなしだ。

 「海洋プラスチック憲章」は産業界と連携し2030年までにプラスチック製品の再利用・リサイクル・回収100%を目指し、使い捨てを大幅に減らす目標を掲げていた。先進国が足並みをそろえて取り組むことに意義があるにもかかわらず、日本は「産業界や消費者への影響が大きく、まだ準備が整っていない」として署名しなかった。経済を優先し、環境をなおざりにする姿勢は容認できない。

 世界各国では、規制への動きが広がっている。欧州連合(EU)欧州委員会は、ファストフード店などで使われるスプーンやストローなど、使い捨てプラスチック食器を禁止し、食品や飲料のプラスチック容器や包装の回収・処理費用を製造者に負担させる新規則策定を加盟国と欧州議会に提案した。アフリカのルワンダは、10年以上前からレジ袋の使用を禁止し、他のアフリカ諸国にも広がっている。

 日本では、マイクロプラスチック削減に向けた改正海岸漂着物処理推進法が今国会で可決、成立した。マイクロプラスチックを含む洗顔料や歯磨き粉などのメーカーに使用自粛を要請する。だがEUのように使い捨てプラスチック製品の禁止までは踏み込んでおらず、不十分だ。

 ごみ削減を着実に進めるには規制の導入を早急に検討する必要があるだろう。便利さを求める消費者ニーズに対応し、使い捨て製品を生み出してきた産業界の一部にとっては抵抗もあるだろうが、代替品の開発など次のビジネスチャンスにつながる可能性がある。国は、使い捨てプラスチックからの脱却に向け道筋を示す責任がある。

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