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社説

加計問題で新文書 首相は今すぐ説明責任を果たせ

2017年6月23日(金)(愛媛新聞)

 また「加計学園ありき」を強くうかがわせる文書が、文部科学省で見つかった。官邸対応の内幕を明かす文書やメールの相次ぐ発覚に、国民の政府への不信は深まる一方だ。

 首相は国会閉会の会見で「何か指摘があればその都度、説明責任を果たす」と明言した。新文書を松野博一文科相が公表したのは、その翌日。首相は今こそ急いで、会見や国会の閉会中審査、臨時国会を開いて説明責任を果たさねばならない。それをしないのであれば、会見は国民の目を欺いただけで終わる。

 新たな文書には、今治市への獣医学部新設に絡み、萩生田光一官房副長官が「総理は『平成30(2018)年4月開学』とおしりを切っていた」などと述べたと記されている。事実であれば「総理の意向」が働いた裏付けになり、「行政がゆがめられた」との疑念は一層強まる。萩生田氏は「首相からいかなる指示も受けていない」と否定するが、文書が残る以上、十分な説得力は持ち得ない。

 文科省の対応も問題だ。新文書の内容は、過去の調査結果や前川喜平前文科次官の証言と符合する。にもかかわらず「備忘録としての個人のメモ」と過小評価し、萩生田氏らの否定を根拠に「正確性を欠く」と判断した。職員のメモを否定するのであれば、何が事実で、何が事実でないかを調べなければならない。部下を守るべき立場の文科相が首相側近の萩生田氏をかばい、事実解明を阻もうとするのなら、大臣としての資質を疑わざるを得ない。

 山本幸三地方創生担当相も、文科省の新文書に対応した調査に「文書をよく見てから検討する」と及び腰だ。所轄官庁に疑惑がある以上、調査の見送りはあり得ない。

 野党は昨日、憲法の規定に基づき臨時国会の召集を求めた。首相は当然、応じなければならない。安全保障関連法成立後の15年10月にも野党は臨時国会を求めたが、安倍政権は開かなかった。召集見送りは憲法違反であり、今回も逃げを打つことは許されない。

 内部情報が次々と明らかになる事態に、政権から職員の発言を締め付けるかのような発言が出ていることは看過できない。菅義偉官房長官の「(新しい文書は)行政文書のつもりはなかったと聞いている」とのコメントには、公にすべき情報ではなかったとの真意が透ける。菅氏は「職員の公文書管理の意識を高める研修充実を考える」とも述べるが、公開よりも情報流出防止に重きを置き「都合の悪い内容は公文書として残さない」という逆の方向に行きかねず、強く危惧する。

 公文書は国民共有の知的財産で、公開が原則である。政府がすべきは情報の囲い込みではなく、いかなる情報も詳細に記録し、国民と共有することだ。行政の公平性や透明性を担保するために情報があることを、忘れてはならない。

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