愛媛新聞ONLINE

2023
121日()

読者の写真 2023年11月

<光の加減巧み 風情備え>
 今回の締め切りは10月25日。審査会場には地域の祭りや、紅葉、ヒガンバナといった植物など秋を感じさせる作品が並びました。
 応募は189点。入選作の中では、光の加減をうまくコントロールした深みのある作品が目を引きました。単に人や物が写っているだけではなく、風情や情緒といった心を動かす何かが備わっています。
 良い写真の裏側にはレンズの選択、ISO感度やシャッタースピードの設定、シャッターを押すタイミングなど撮影者のさまざまな工夫や努力、培った技術や経験の跡がうかがえます。機材は日々進化していますが、それを扱う人の腕が必要とされる領域はまだまだ大きいと思います。(報道部長・雲出浩二)

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  • *写真転用は厳禁です

1席「稲わら作り」

2席「静寂」

2席「和やかな休息」

3席「月光に導かれ」

3席「太陽が昇る頃」

3席「大あくび」

佳作「貴婦人」

佳作「清めの水飛沫(しぶき)」

佳作「虎舞」

佳作「牛も見学」

佳作「見つめてる?」

笹田 雅代(61)大洲市

 夕暮れ時、作業を終える直前の農家の男性です。背景には稲刈りを終えた田んぼ、沈みゆく太陽、積み上げたわら。男性の柔和な表情や、てきぱきとわらを束ねる手つきと相まって、充実した1日を過ごした様子がうかがえます。逆光ですがF2.8の明るいレンズを使って繊細に描写し、趣のある写真に仕上がりました。大洲市西大洲。

宮崎 茂(66)愛南町

 修行僧の寺として知られる福井県の永平寺の回廊をモノクロで表現しました。階段が手前から奥へと続く白黒のしま模様が強調され、デザイン的な面白さがあります。遠くに1人で歩く女性の後ろ姿を配したことも、静かでりんとした雰囲気づくりに役立ちました。

皆川 春奈(50)松山市

 男性のはじける笑みがなんとも印象的です。農作業の合間に来客があり、世間話で盛り上がっていたそうです。男性の作業着、腰かけているコンテナ、背景の運搬車も効果的で、穏やかな日常の一端が垣間見え、心をなごませてくれます。松山市浅海。

中島 慶和(52)宇和島市

 中秋の名月がテーマです。海にきらめく月明かりが、鳥居に向かって延びています。夜の海の青や、鳥居などのシルエットとのバランスも良く、月が生み出した神秘的な光景を表現しました。大洲市長浜町櫛生。

菅 初雄(75)西条市

 1日の始まりとなる日の出直後、巣を張ったクモを写しました。小さいですがオレンジ色の太陽の真ん中にシルエットを配し、F2.8のレンズで周りをぼかして視線を集め、存在感を出しました。西条市高田。

中川 雄喜(64)松山市

 タイトル通り、マントヒヒが大きなあくびをした瞬間をとらえました。口と鼻の穴が大きく開いたところをアップにし、インパクトを強めています。リラックスした姿に気持ちがやすらぎます。とべ動物園。

橋本 高幸(72)大洲市

 橋脚の優美さで「貴婦人」と呼ばれる大分県宇佐市の鳥居橋。石橋の風情に赤い傘がいいアクセントになっています。

松田 夕美(51)松山市

 みこしを中心にした安定感のある構図に動きのある水の描写。力強さと活気があります。松山市安城寺町。

脇田 辰彦(71)松山市

 松山市の三津厳島神社の秋祭り。構える鉄砲、虎の首の傾き、観客のにぎわいなど無駄なくきっちり収めました。

白石 信夫(74)宇和島市

 相撲練りを石造りの牛がじっと見ているようです。撮影位置の妙です。宇和島市三浦天満神社。

岡村 照幸(58)宇和島市

 内子町の田んぼ脇に咲くヒガンバナを子犬が不思議そうに見ています。つぶらな瞳が目を引きます。

予選通過者

【予選通過者】四国中央市=篠原安吉▽西条市=越智初美、山内政博、吉川航太▽今治市=石山正昭▽松山市=石丸茂弘、井上雄次、上野登志、神谷英男、小泉次郎、中岡清秀、中村豊、丹生谷匡美、野本亭、森川貴典▽東温市=渡部清隆▽伊予市=河田守▽松前町=福岡稔▽砥部町=片岡美和▽内子町=町田幾子▽宇和島市=白浜友子、平山雅博、向井裕志▽愛南町=浜本秀雄

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年間賞

応募のしおり

規定
題材は自由。未発表(二重投稿不可)で半年以内に撮影の作品。大きさはL判以上、四つ切り程度まで。合成写真は不可。組み写真の場合はその旨を明記してください。作品裏面に郵便番号、住所、氏名、生年月日、電話番号、題名、撮影年月日、場所(市は町名、町は大字まで)、撮影時の状況やカメラの設定、感想を書いたメモを作品の天地(上下)に合わせて貼付。毎月25日締め切り(必着)。応募作品は返却しません。撮影の際は法令やマナーを順守、プライバシーに配慮し、被写体本人の承諾を得てください。不適切な場所・方法で撮影した作品は対象外とします。題名などは新聞表記のルールに合わせることがあります。
送り先
郵便番号790-8511、松山市大手町1の12の1、愛媛新聞社編集局「読者の写真」係
審査・発表
愛媛新聞社編集局で審査、翌月の本紙と愛媛新聞ホームページ
1席 1点、2万円▽2席 2点、1万円▽3席 3点、5千円▽佳作 5点、図書カード▽奨励賞 数点、図書カード