読者の写真 2013年 年間賞
年間賞決定 最優秀に芝崎さん
第6回「読者の写真2013・年間賞」の審査をこのほど行い、今年の1席12点から決める最優秀賞には松山市上野町、芝崎静雄さん(65)の「煌(きら)めきの朝」(7月分1席)を選んだ。
1年間を通じて活躍した個人を対象とする優秀賞は、年間賞候補点数が芝崎さんと並びトップで、各月の入賞数も多かった宇和島市、白石信夫さん(64)に決定した。
今年新設した努力賞には、入賞はなかったものの1年間継続的に応募し、予選通過の力作が多かった上位3人として▽城戸寿夫(36)=松山市▽中島慶和(42)=宇和島市▽石田本清(84)=新居浜市―の皆さんを選んだ。
受賞者には、賞状と受賞作品を入れた額を授与。副賞は最優秀賞2万円、優秀賞1万円、努力賞5千円。
各月1、2席と年間賞候補、努力賞の予選通過作品9点の計約70点を、14年1月7~18日、松山市大手町1丁目の愛媛新聞社1階ロビーで展示する。平日は午前9時~午後5時、土曜は午前10時~午後4時半、日曜祝日休み。来場は公共交通機関で。入場無料。
◇過去の入賞作品は愛媛新聞ONLINEの「アクリートくらぶ」会員専用サイトで閲覧できます。
(映像報道部副部長・村上健二)
- *写真転用は厳禁です
最優秀賞
「煌めきの朝」
芝崎静雄 松山市
今年も多くの応募があり、年間総数は4191点でした。昨年の4215点をわずかに下回ったものの、4千点超はこの2年だけです。6月には485点もの応募があり、月間最多記録を塗り替えています。
入賞の競争率が高い中、安定した実力を発揮し、ひときわ目を引く作品で頂点に輝いたのが芝崎静雄さんの「煌めきの朝」(7月)でした。西条市丹原町の高知八幡神社を訪れ、素晴らしい光景に出合えて感動したというシーンです。傑作を写し取るには、まず撮影者が感動を見つけることが大切なようですね。芝崎さんは今年、1席1回、2席1回、3席3回、佳作3回と活躍しました。
瞬間の出合い求めて
最優秀賞を受賞した芝崎さんに、写真の魅力などを聞いた。

受賞の感想を。
たくさんの応募作品の中から、自分の写真が選ばれたことを光栄に思います。
受賞作撮影時の状況は。
たまたま薄い朝霧がかかり、そのきらびやかな光をどう捉えるかを瞬間的に考えただけです。初めての撮影地で、素晴らしい光景に出合えました。
写真を始めたきっかけは。
大阪に単身赴任していた49歳の時、奈良や京都の寺社巡りなどを楽しんでいました。せっかく見た景色を記念に残したいと思い、以前から興味のあったカメラを購入したのが始まりです。仕事が終わると夜間のカルチャースクールに通いました。
初めて「読者の写真」に応募したのは。
2010年11月で、伊予市中山町のソバ畑と彼岸花の写真が佳作になりました。
その他コンテストには出しているか。
県展に7年前から毎年応募していますが、大きな賞はありません。
撮影に行く仲間は。
基本的に一人ですが、現地で写友と一緒になることがよくあります。
撮影での苦労は。
勤めをしているので、ほとんど週末しか撮影に行けないし、早朝撮影は苦手です。季節の花などは、週末には早かったり遅かったりと、満開時期を逃すことが多々あります。
どんなカメラを使っているか。
以前はキヤノンのフィルムカメラでした。現在はデジタルカメラの「5D MarkⅡ」などです。長時間露光の時には、今でもフィルム機を併用します。
写真の魅力とは。
趣味として10年先の自分を考えた場合、写真は転勤しても続けることができます。被写体では、全く同じ情景に出合うことはなく、その瞬間をカメラに収めることができるところが魅力です。
「読者の写真」への意見や感想は。
見開きで大きく紹介してくれるのがいいですね。楽しみにしている人は多いから、これからも続けてほしい。
今後の目標を。
しばらくは勤めをしながらの週末写真愛好家を続けます。その集積として、皆さんに見ていただけるチャンスをつくり、個展の開催や写真集の作成を目指したいです。この賞を励みに「瞬間の出合い」を求め、これからも撮り続けていきたいと思います。
優秀賞
「食べおさめ」
白石信夫 宇和島市
昨年まで4点だった優秀賞は、年間賞候補点数や入賞の多かった白石信夫さんに贈ります。卓越した技術力と豊富に繰り出されるアイデアには、いつも驚かされます。中でも「食べおさめ」(10月の年間賞候補)は、大きく写し込んだスイカで画角に無駄がなく、迫力もあり白石さんらしいユーモラスな表現ですね。すっかりチャボと仲良しになっている距離感やアングル、ポーズもよく、色彩も豊かです。来年も楽しませてください。
努力賞
- *優秀賞・努力賞は受賞者の代表作を掲載しています。