里海を目指して 愛媛・瀬戸内法施行50年

高度経済成長期の開発で汚染された瀬戸内海を守ろうと50年前の1973年11月2日、瀬戸内海環境保全特別措置法(瀬戸内法)が施行された。「瀕死(ひんし)の海」と言われた水質は排水規制で改善したが、一方で栄養塩や藻場、干潟が減少し、生物の多様性が失われつつある。水産業の衰退や海洋プラスチックごみの汚染も問題となる中で、豊かで美しい瀬戸内海をどう実現すればいいのか。

生物多様性を育む豊かな瀬戸内海に向け、今後の展望を語る松田治理事長=10月上旬、神戸市
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- 2023/11/6 里海を目指して 愛媛・瀬戸内法施行50年<4>砂浜を守る 埋め立て抑制に限界も 「バッタがおった」「この植物は何?」。9月下旬、今治市の織田が浜で開かれた自然観察会で、地元・富田小学校の児童の声が響いた。 市街地からわ……
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