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手記は語る シベリア抑留記 愛媛から発信 戦後76年の記憶

 叔父の手記を世に出せないか―。2020年末、上島町岩城の福井敦子さん(79)が、1冊の分厚いノートを差し出した。表紙を開けると筆で「私のシベリア抑留記」としたためられている。整然と並んだ文字の合間に丁寧に描かれたイラストが添えられた手記は148ページに及ぶ。
 執筆者は熊本県出身の元憲兵、故山内忠幸(ペンネーム・文吾)さん。戦後50年の節目にあたる1995年に作成し、何度かシベリア抑留の話をするなど交流の深かった、めいの福井さんに手渡した。完成してわずか1年後、山内さんは73歳で亡くなった。
 手記には終戦直前にソ連から受けた攻撃やシベリア抑留の日々が細かくつづられている。過酷な労働の実態も、仲間が次々と命を落としていく姿も。
 今年、戦後76年を迎える。戦争体験者の多くがこの世を去り、悲惨な歴史の継承が大きな課題になっている。「まとめたから読んでみて」と山内さんから福井さんに託されたノート。四半世紀の時を経た今、バトンを受けるような気持ちでページを開いた。

 【シベリア抑留】終戦間際の1945年8月9日、日ソ中立条約を破棄したソ連は旧満州(中国東北部)などへ侵攻。旧満州や朝鮮半島、樺太などで日本兵や民間人らが拘束され、シベリアやモンゴルなどの収容所に送られた。厚生労働省の推計によると、日本人抑留者は約57万5千人。うち約5万5千人が、強制労働や飢え、寒さなどで死亡した。愛媛出身の犠牲者も多く、「愛媛シベリアを語る会」によるとその数は1360人余りとされる。

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